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涼宮さんの機嫌が悪い。 原因は分かっています。 2年生の修学旅行、つまりは、朝比奈さんの不在。 「つまんない、つまんない、つまんなーいっ!」 長門さんに同じ格好をさせても、 ぶかぶかの衣装に長門さんの反応では涼宮さんが満たされるわけもなく。 数日のこととはいえ毎日一緒にいた朝比奈さんがいないというのは、 大きなことなんですね。 「僕が代わりになったほうがいいんでしょうかねえ」 「却下」 嫌がる演技も彼女が望むならしますが、 そう付け加える前に彼には却下されてしまいました。 そんな姿を見たくない、 わけではなく、 「俺以外に見せるな」 ということらしいです。 そういうことでしたら、 あなたの言うことをきかないわけにはいきません。 たとえ毎日閉鎖空間に行くことになっても。
「え?一緒に来られるんですか?」 「行く」 閉鎖空間なんて来ても楽しくないですよ。 それに前、もう二度と行きたくない、って言ってませんでした? あれは彼女と一緒に行った閉鎖空間でしたっけ。 一緒に行っても、あなたとゆっくりお話しできる時間もないし、 お茶も出してあげられません。 「それでも、お前を見ていられるだろ」 「! は、はいっ・・・!」 そう、ですね、 部室以外では会える時間がなくなってしまって、 飛ぶように帰らなきゃいけない僕に、 会えるのは閉鎖空間くらいです。 その後も、機関のミーティングに出ているから、 帰りはとても遅くなってしまって、 家で待ってもらうのも悪いですし・・・。 閉鎖空間でなら、僕があなたを守れるから、 ちょっとした嬉しさもあります。 あなたが見てくれているなら、 よりがんばれる気もします。 では、今日は。 閉鎖空間でデートしましょう。 「派手に暴れてるな」 「ええ、今日は一段と」 おとなしい日が続いていたので、 久しぶりにパワフルな神人を相手にすると、 僕以外の機関のメンバーも骨が折れます。 しかも今日は最初、僕だけしかいないようで。 他のメンバーが遠出をしている時に限って、 こんなに暴れられてしまって、困ったものです。 「大丈夫なのか?お前ひとりで」 「ええ、僕を狙ってきたりはしませんから。昔はもっと暴れていましたし」 僕が中学生のころなんて、酷いものでした。 いつもびっくりして逃げようとして怒られました、森さんに。 でももう大丈夫です。 僕も慣れたし、あなたもいるし、 もう少しすると援軍もやってきますから。 「それでは、いってきますね」 「ああ・・・気をつけろよ」 「はい」 名残惜しそうにつながれていた手を離します。 あなたが、離したくなさそうに指を掴むから、 僕がしっかりしないといけません。 閉鎖空間では、僕が頑張るんですから。 たまにはかっこいいところを見せたいですし。 頼れる僕だって、たまにはいいですよね。 涙ながらに手を離して、赤い光をまとって宙に浮かぶ。 神人の方向へ飛んでいくと、 あちこちから瓦礫が飛んできた。 狙っているわけではなく、 暴れ方が酷いからあらゆる方向に被害が及ぶというわけです。 これは下手をすると激突してしまいますね。 この形のときは怪我をしませんけど、 全身を強く打たれる感覚だけはあるので、 当たらないように気をつけましょう。 「まずは一番厄介な腕、ですか」 右腕に向かって速度を上げる。 腕を切り落とせれば、動きは弱まる。 まずは一撃を食らわせて、身をひるがえしてもう一発、 としようとしたその時に、 「あれっ?」 狙っていた腕が瞬時の目の前から消えて、 「わ・・・」 僕の、上に、振り下ろされて、 「ひゃっ!」 おもいっきり。 殴られてしまいました。 体が強く、崩壊したビル跡に叩きつけられる。 全身に刺すような痛みが走るけど、 実際に血が流れることはない。 でも痛いです。うう。 「失敗しました・・・」 見られていたら、恥ずかしいです。 彼のところからなら見えなかったでしょうか。 それを祈りましょう。 気を抜いたせいで光が消えていき、 僕の体は元に戻る。 早くまた光を・・・と、 神経を集中させようとして、 体に巻きつくものに気がつきました。 「これは・・・」 神人の、手? 長い細い、透明な青色のそれは、 腕をのばして僕を捕えているように見える。 けど、指がどこにもない。 先端は尻尾みたいに尖っていて・・・ いつの間にかそれが何本も、僕の体にまとわりついていた。 ピンチかもしれません。 僕を狙ってくることはなかったのに、 今、こうされている。 他のメンバーはどうしたんでしょう? そろそろ来てもおかしくないのに・・・ 彼に大声で助けを求めても声が届く距離じゃないですし、 今はこの神人の機嫌を損ねないように注力しなくては。 「僕は、敵じゃありませんよ。何もしませんから離してください」 さっきまで戦っていた相手に通用するとは思えませんが、 やはり通用しなかったようです。 その腕らしき長いものは僕の全身を巡ってくる。 つ、冷たくて、くすぐったいです。 「あ!」 先端のとがった部分が、制服を切り裂く。 突然の動きに驚いて腰が抜けそうになりましたが、 体は傷ついていません。よかった・・・。 ちょうど真ん中で切り裂かれた制服に、 腕が絡んで脱がされてしまいました。 こ、こ、これは。 なんだか、 いやな予感です。 涼宮さんの不満の表れだとしたら・・・ 「みくるちゃんに、あんなことやこんなことをしたかったのにっ!」 「こらハルヒ!朝比奈さんをいじめるんじゃないっ!」 「いじめてないわよ。みくるちゃんだって嬉しそうだったもの」 あんなことや、 こんなことを、 したいと思っているんだとしたら、 もしかして本当に僕が代わりに? しかも彼女ではなくこの・・・神人に? 「や、いやですっ!こんなの、いやですー!」 僕の抗議の声は完全に無視して、 体中に腕が這ってくる。 話せば分かります、と言いたいところですが、 どこからともなく伸びている腕しか見えず、 口や耳はどこにもなさそうです。 「冷たいっ・・・!」 彼ならいつも僕より暖かい手で触ってくれるのに。 よりによって、こんな、してない日に限って、 体を触られたりしたら、 「ふっ・・・」 たとえ相手が彼じゃなくても、どきどきしちゃいます。 うう、こんなことを知られたら怒られます、 僕だって本当はあなた以外に触られたくありません。 冷たい腕のとがった先端が、ちくりと胸に触れる。 刺される!? 「やめて、くださ・・・!!」 けど、 制服を切り裂いたときとは違って、 その先端はくにゃりと折れ曲がってぬるい液体を出してきた。 この際だから古泉くんでいいわ。 そんな声がどこからか聞こえてくるようです。 ぬるぬるした液体、 彼がいつも使ってくれるものに似ている。 「はう、あ、あっ」 液体に触れる腕はだんだん暖かくなって、 やわらかくなった先端が円を描くようにくるくる体を擦ってきて、 いやだって思っているのにびくびく震えてしまいます。 「楽しませてくれるのよね?古泉くん」 涼宮さん、あなたのためなら僕は何でもします、 そう思っていたけどこれは抵抗があります。 ほかのことじゃダメでしょうか? それに朝比奈さんにも、こんなこと、いつもしてないのに・・・ 「古泉くんも、あたしと遊ぶの楽しいでしょ」 涼宮さんが僕を選んでくれたことは光栄で、 嬉しいのですが、でも、これは、これは、 「やっ・・・そ、そこは、だめっ・・・」 弱いんです、胸、とか、腰、とか、 優しく撫でられるとどきどきして、 「かわいい顔。古泉くん、悪くないわ」 す、ずみや、さ、 ありが、とう、ございます。 気に入ってもらえたら、嬉しいです、でも、 僕には、あの人がいるんで、す・・・っ。 「あ、あ!」 「古泉くんて、おっぱい触られるだけで勃っちゃうの?」 恥ずかしいこと、言わないで、ください・・・ 彼に触られるまでは分からなかったけど、 そうみたいです。 彼は、僕が触ってもくすぐったいと笑うだけで、 こんなふうにはならないのに。 「いいんじゃないか?お前らしくて」 と褒めてくれたのでうれしかった。 でも・・・ あなた以外でもこうなってしまう僕を、 あなたがいいと言ってくれるとは思えません。 だめです、 ぼく、 あの人を裏切りたくないです。 「やだ・・・やめて、ください」 「泣いちゃったの? かわいいのね」 僕は生涯彼のためだけに生きていくんです。 こんなことで、だめになりたくないです。 せっかく会えた大切な人なのに、 失いたくないです。 「でも、気持ちいいでしょ?」 「ふ・・・!あ、ああっ、や・・・!!」 ベルトを緩めてファスナーを少し下ろしただけで、 その腕は下着の中まで入り込んできた。 下着ごと濡らされて、 ぐちゃぐちゃに何本もの腕で撫でまわされて、 頭の中がおかしくなってくる。 彼のことだけ考えたいのに、 気持ちよさで吹き飛んでしまう。 「や、い、あっ・・・!!」 「すぐ入っちゃいそう。慣れてるのね」 「やだ・・・!!!」 彼が入ってくるところに、 入ってこようと、してる。 いや、いやです、 こ、のまま、じゃ、 おかされて、しまいます、 いやです! 「助けてっ・・・ください・・・!」 彼の名前を叫んで、 助けを求めたけど、 届くはずもない。 彼女の力でほかの仲間は入れないようになっているのかもしれない。 誰も、来てくれない。 「やだ、やだっ・・・いや・・・!!」 前にも絡みついた腕が、音を立てて擦り上げてくる。 力を込めて、我慢したかったけど、 ほかの腕に首を緩く締められて、 一瞬体の力が緩んだときに、 「ふああっ・・・!!!」 出し、 ちゃい、ました。 ごめんなさい、 ぼく、 あなたじゃなきゃいやだったのに・・・ 「古泉くん、いい具合に力が抜けたわね」 「やめて、くださ、おねがい、します・・・!」 「だーめ。入れてほしそうに見えるもの」 そんなこと、ないです、 あの人じゃなきゃ、いやです。 いや、なんです、 「ああ、あ、ああ・・・!」 「ふふっ。太いの、入っちゃいそう」 「ひ、あっ・・・・・!!!た、たすけ、」 「古泉!!!」 幻聴、でしょうか? 遠くから・・・走ってくる足音と、 大好きなあの人の、声。 「うおっ・・!!」 立ち止まって、驚いている、声。 助けてほしかったけど、 この姿を見られるくらいなら、 すべてが終わってから、 何事もなかったようにふるまうほうがよかったかもしれない。 「は、あっ、あ、あ」 内股まで下着を下ろされて、 たくさんの腕に体を拘束されて、 後ろから、 抵抗もできずに犯されてるような姿は。 見られたく、なかった。 「うう・・・ごめ、なさ、ごめん、なさい・・・ひあっ!」 「古泉っ・・・」 強く後ろから揺らされて、涙が地に落ちる。 抜けて、入ってくるたびに奥まで貫かれて、 あまりに強い刺激に僕の視界はぐらぐらと回った。 彼がどこにいるのか、もう分からない。 どうして、こんな、ひどいことを。 も、だめです、 ぼく・・・・・・・・・ 「古泉!」 「はっ・・・」 こ、ここはどこでしょうか・・・? 僕の家? 見慣れた天井が、あります。 そして、彼の姿も。 「お前、寝過ぎ。ちゃんと俺の相手をしろ」 「え・・・え? あれ? 僕・・・・」 どうしたんでしたっけ? 確か・・・ 部室を出て、 あなたと一緒に、閉鎖空間に向かって・・・? 「何言ってるんだ。お前が閉鎖空間に行くから、 俺が部屋で待ってたんだろ。帰ってきた瞬間寝やがって・・・」 「あれ?そ、そうでしたっけ・・・」 冷たいタオルで、額を拭いてくれる。 きもち、いいです。 「ずいぶんうなされてたぞ。怖い夢でも見たか」 怖い夢。 夢。 そう、か、 あれは、夢だったんですね。 僕の制服、ちゃんとハンガーにかかっていますし、 あなたが僕を見放している様子もありません。 よかった。 変な夢を見てしまいました。 夢で、本当によかったです。 あなたに嫌われたらどうしようかと思いました。 「はい・・・。でも、大丈夫です。起きたら、あなたがいたから」 「そうかい。別に、いつでもいてやるよ。 ふあー・・・俺も眠くなってきたし・・・このまま一緒に寝るか」 「はいっ」 変な夢を見たせいか、体がだるくって、まだ眠れそうです。 今日はお相手をできなくて、ごめんなさい。 朝比奈さんも明日には帰ってくるから、 すぐに涼宮さんの機嫌も直りますよ。 そうしたら、また、いっぱい、してください。 眠るまで、彼はずっと頭をなでてくれました。 いつもよりなおさらやさしいです。 毎日頑張っているからな、と言ってくれました。 ぼく、幸せです。 ずっと、僕は、あなただけのために・・・・・ 「悪くなかったけどな、あの姿も」 ・・・・・・?? 寝てる僕の、ことでしょうか・・・??? おやすみなさい・・・・・・
紅路ちゃんの誕生日祝いに!ガチキョン×乙女泉+触手・・・とのことでしたが
むしろ触古になっちゃった!ごめんね・・キョンのチンコ出番なくて・・・