僕にとっての日常は、灰色空間。
食事の時間だろうと、熟睡している時だろうと、
携帯電話が鳴ればすぐに行かなくてはならないんです。


そんな日常を疎ましく思うこともあったけれど、それが
運命なのだから、受け入れるしかありません。
神様の機嫌を取って、
なるべく傷つかずに済むように、がんばります。


日常と非日常



「・・・9時・・・」


休日の朝、鳴らない目覚まし時計を見た。
珍しく、彼女からの召集がかからない休日。
昨日見かけた皆既月食を、今日はとことん調べたいの!と
言っていたような気がする。


昨夜がいい天気でよかった。
毎年見れるわけじゃない皆既月食を彼女が見逃したりしたら、
きっとこんなにゆっくり眠っていられなかった。


だけど・・・
最近は、彼のおかげで、比較的平穏な生活に戻っている。
まるで力を手に入れる前のような。


どちらがいいかと言われたら、すぐには答えられない。
それまでの日常生活は平穏無事そのものだったけれど、
そのままだったら今ここにはいられなかった。
同じ高校に入っても、出会うことはなかった。
もし出会っていても、話すきっかけなんてなかった。
だから、急激に変化した僕の日常も、
今思うと悪くなかった。
がんばってきて、よかった。


朝日のまぶしさで目が冴えてきて、枕もとの携帯を手に取る。
メールも、電話も、来ていない。
機関からじゃない、メールフォルダを開ける。
ぶっきらぼうな2行メールだけが続くフォルダ。


朝の9時、まだ、早いでしょうか?
起きているでしょうか?


メールを打とうか迷って、結局編集画面を開いたときに、


「!」


起きてるか?暇なら、遊ぼうぜ



2行にも満たない新着メール。
それなのに心は満たされる。
同じ時間に同じことを考えていたなんて、それだけで、
僕は、今なら一人で神人を倒せるような気がします!


でも、現れないでください。
彼に、会いたいから・・・。


すぐに返信をして、すぐに顔を洗って、ええと、今日は、
どの服を着ていったらいいでしょう?


こんなことは、僕にとっては非日常。
夢の中だけのことだと、思っていた。
あるわけがないと、思ってた。
それでも構わないとも、思っていたのに。



じゃあ、駅前に10時。コーヒー奢れよ、金ないから



どうか神様、あなたにとって今日がすばらしい一日でありますように。
僕の非日常を、壊さないでください。
日常に、連れ戻さないでください。


彼と、一緒にいたいから。


thank you !

金ヅル扱いなのにテンション上がる乙女古泉萌え。
古泉はキョンを名前で呼んでくれないので色々書きにくいですよね。



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