※例のごとく痛々しい古泉ですすみません。(古泉大好き!)
 さらに救いもない。暗いです。ご注意を!














息が苦しい。
唾液で湿ったネクタイが、口を塞いでいる。
後頭部できつく縛られていて、首を振ってもほどけない。
手が自由ならほどくこともできるけど、
手も自由を奪われている。彼のネクタイで。


「んんん、んん」


彼曰く、僕の声がうるさいらしい。
誰かに聞かれたら困るだろうと。
それなら、こんな場所でしなければいいのに。
よりによって学校の中、
放課後は毎日集まらなければならない部室の中。
否が応にも思い出してしまうのに。
こんな場所で、こんなことをされたことを。


きっと彼は相手が僕じゃなくてもよかった、誰でもよかった。
ただ僕がちょうどよかった。
彼に好意を抱いていたから。
それと同時に、彼に背くことはできなかったから。
彼の機嫌を損ねることは、そのまま、神の機嫌を損ねることに直結する。

一度激しく抵抗して拒絶をした後、彼は涼宮さんにとんでもない暴言を
吐いて部室を去った。結果、今までにないレベルの閉鎖空間が現れた。
僕だけではなく、仲間も、負傷した。数人、なんて規模じゃない。


だから僕は彼に忠誠を誓った。
どうか、僕は何でもするから、彼女の機嫌を損ねないでくださいと、
何度も懇願して。


そこから彼と、このような関係が続いている。




団長机に両手を縛り付けられて、
もう、10分以上も彼に後ろから指を突き入れられている。
ほとんど慣らすこともなく侵入してくるときもあるのに、
たまにこうして、緩やかで気が狂いそうになる刺激を
与え続けてくることが、ある。


そのときは決まって、口を塞がれて、何も言えない。
あなたが望むのなら「してほしい」と言うこともできるのに、
そうして早く終わらせてくれればいいのに、そうはさせてくれない。


せめて首を振って意思を示そうとしても何も取り合わない。
指の動きに変化はない。たまに、奥まで、入ってくるくらいの変化しか。
聞きたくない音が静かな部室に響く。
もう生徒は皆、下校した時間。
それでも誰かに聞かれるんじゃないかと思って、恥ずかしくて仕方がない。
こんな姿を誰かに見られたら、死んでしまう。


髪にかかる彼の吐息で背筋がぞくぞくと震えた。
指の動きが少しだけ早まる。
本当に、息が苦しくて、意識が、途絶えそうなのに、
体が反応しているのが恥ずかしい。見ないで。見ないでください。


「すごいな、お前。後ろだけで感じすぎだろ」


先端の雫をすくって彼がついにそこに触ると、
もう僕は我慢ができなくなってしまう、ああ、も、駄目、です・・・!


「んんんっ、んん、ん」
「我慢しろよ」


前後からの刺激が突然強まって、頭が真っ白になりかける。
それでも、彼の命令に、逆らうわけにはいかない。





悲しい嘘と涙の理由






「まだだ、古泉」


両目から涙を零して、全身に力を入れて、古泉は必死に耐えていた。
とうに限界は来ているはずだが、律儀に俺の言葉に従っているらしい。
時間の問題だ、古泉のことは誰よりもよく分かっている。

後ろの指を二本に増やして、奥まで突き立てて、
前はもっともっと、早く動かしてやる。
痛いくらいの力を込めて。


「ううっ、う、ん、んん」


くぐもった声で無理だと必死に訴えている。
そんなお前を見るのが好きなんだ。
お前が泣いて、
耐えて、
堪えて、
結局駄目になる姿が。


「まだイくなよ、古泉。分かってるだろ」


動きにあわせて聞こえる声も、音も、どれも、好きだ。
本当は口を塞ぐのなんて勿体無いが、学校だから仕方がない。
自由な校風といえど用務員くらいはいるだろ。
見回りには一度も遭遇したことがないけどな。
俺は北高が好きなんだ。
そしてSOS団が好きなのさ。
お前が無意識に、俺に侵された場所を見つめる姿は、一番好きだ。


「っ、・・・!ううううっ・・・!」


髪を振り乱して、限界の合図を示した。
さすがに無理か。今日も。


大きく腰が震えて、直後、ぼたり、と白濁の液体を床に垂らす。
最後の一滴まで搾り出すように擦ってやると、
ネクタイの奥で大きな悲鳴を上げた。大粒の涙も、床に、落ちる。


ああ、さすがに跡が残るな。これ以上は。
体に跡が残ろうと知ったことじゃないが、顔は困る。
ハルヒどうのこうのより、お前の綺麗な顔が好きだからだ。


結び目を解くと、当初よりもずいぶんとネクタイが重い。
口にあたっていた部分は色が濃く変色している。
これ、明日、つけてこれるのか?
よほど強くネクタイを噛んでいたんだろう、
よく見るとところどころ、赤い。


古泉はやっと開放された口で荒い呼吸を繰り返している。
苦しそうだ。ひどく。


「古泉・・・」

「は、あっ、はあっ・・・ご、めんなさい・・・」


まだ手首は拘束されたままの姿で肘をついて、
無理やり上体を起こし、こちらを見る。
髪はもうぐちゃぐちゃで、顔も、泣きすぎて真っ赤だ。
唇からは血の気が失われていて、切れた端から滲む血の色がやけに目に付いた。


「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさいっ・・・」


ひたすら謝る古泉を、心底馬鹿だと思う。
謝ることじゃないだろ。どう考えても、お前は悪くないだろ。
俺の機嫌ばっかり、取りやがって。
ハルヒ様のご機嫌取りが、そんなに大事か。
機関とやらが、そんなに大事か。
世界が、そんなに大事か。


それならな、付き合ってやるよ。
ただし、
お前はとことんぶっ壊してやる。
そのほかを全部守れるなら、安いものだよな?



手首のネクタイも解いて、古泉を自由にしてやる。
もちろん、逃げるようなそぶりは見せない。
「乗れ」
涙を拭って、古泉が恐る恐る、ベルトに手をかける。
ゆっくりと、自分であてがって、腰を落とす。
涙を今さっき拭ったばかりなのに、また頬に流れた。

辛いだろう。
苦しいだろう。
ひどいことを、しているという自覚は、ある。


「あ、うう、い、いたっ・・・」
「早く動けよ、古泉」
「はい、すみませ、ん・・う、うう、」


知ってるよ、お前が辛いのも。苦しいのも。悲しいのも。
それでも俺が好きなことに変わりないんだろう。
俺には、全然わからないな。


遠慮がちに俺の肩に手を回して、入りきらない力で、
古泉が上下に腰を動かす。息が荒い。
青ざめた顔に、伝わる大量の、涙。
堪えながらも漏らす声が、苦痛を訴え続けている。


なんとなく、
このままやってたら、


お前が死ぬかもしれないと思った。



腰を強く掴んで、びくりと体を震わせる古泉を引き離す。
驚いてその場にへたり込んだまま、ぼーっと俺を見ている。

どうしてですか?

息が整わず、言葉にはならないが、
目がそう訴えていた。






「お前が嫌いだからだよ」





途端、古泉の表情が今まで見たことがないくらい、哀しく歪んだ。
それは意外にも、俺をも、ひどく悲しくさせた。


それでも俺は、
その言葉を訂正してやることなんか、できないんだ。
俺たちは、
こうなってはいけなかった。
俺は、
古泉にこんなことをするべきじゃなかった。



何もしなければ、
ずっとお前の笑顔を見ていられたはずなのに。




古泉。




thank you !

切ないタイトルなのに終始エロ!!他のがタイトルからオチが想像できる
内容ばかりにしてしまったので(人はそれをベタと呼ぶ)反省した結果がコレです。
しかも何この真っ暗加減・・・言い訳のしようがない!
つかR-18ってほどエロくないですかね。R-15くらいでいいでしょうか。今後頑張る(?)。


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