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「二人を起こしてきて〜」 おかーさんに言われて、キョンくんと、古泉くん、 キョンくんのお部屋で寝てるみたいだから、起こしにいったんだ。 朝ごはん、できたよー!って。 キョンくんのお部屋は鍵がかかってなくて、 いつもノックしないで入るから、怒られちゃう。 だけど、忘れちゃうんだもん。 「キョンくーん、古泉くん、朝だよ〜!」 今日はちゃんと、ドアの外から声をかけてみて、ノックもして、 それから、開けたよ。そしたら、 「あれれ?」 二人は気付かなかったみたいでまだ寝てて、 でもなんでだろう?二人とも、おんなじお布団で、寝てる。 もっとわたしがちっちゃいときに、おかーさんとそうしていたみたいに、 お布団の中でぎゅーっとくっついて、寝てる・・・ うーん?どうしてキョンくん、ベッドで寝てないの? 駆け寄って、キョンくんのほっぺたに触ってみる。 「うーーーーん・・・」 起きたかな? 「キョンくん、朝だよー!」 もういっかい! ちょっと大きめに言ってみると、やっと、二人とも、目を覚ましたみたい。 「なんだよ、もう朝か・・・」 「ふあ・・・おはようござい、ま・・・えっ!?」 「おはよう、キョンくん、古泉くん!」 わたしを見たとたん、二人はすぐに布団から飛び出して、 真っ赤な顔になっちゃった。なーに? 「どうしたのー?」 「お前、なんで俺の部屋にいるんだよ!!」 キョンくん、なんで怒ってるんだろう? ちゃんと声もかけたし、ノックもしたのにっ。 それに、いつもお休みの日はおんなじように起こしに来てるよ。 「あさごはん!おかーさんが、できたよーって」 「そ、そうか・・・」 「ありが、とう、ございます・・・」 なんだか様子がへんだけど、大丈夫だよね?? じゃあ先に、ごはん食べてるから! キョンくんと古泉くんはね、とっても仲がいいの。 うちに遊びに来たのは初めてだけど、 何度か古泉くんのおうちには行ったことがあるよ。 キョンくんは、一人で泊まることが多くて、 ずるい!一緒につれてって、ってお願いするのに、 いつもこっそり泊まっちゃう。 昨日だって、わたしも一緒に寝たかったのに、 キョンくんがいじわるを言ったからダメだったんだもん・・ 古泉くんは優しくて、かっこよくて、だいすき! キョンくんみたいにぶあいそーじゃないし、 怒ったりしないし、走っていったら腕を広げて待っててくれる。 わたしのおにいちゃんならいいのになあ。 パジャマのままで階段から降りてきて、キョンくんも古泉くんも、 ちょっと寝ぼけた顔でご飯を食べてる。 おかーさんは古泉くんが気に入ったみたいで、 あさごはんもいつもよりちょっぴり多いみたい。 食べ終わって二人は部屋に戻っていって、わたしも、 自分の部屋に行った。そういえば、図工の宿題、まだやってない。 はさみ・・・は、キョンくんに借りなくちゃ! 「キョンく・・・」 少しだけ開いていたドア、中に入ろうと見てみたら、 キョンくんが・・・古泉くんと、ちゅう、してる。 うーん。 うーん? 男の子同士でも、ちゅうって、するのかなあ・・・? 仲がいいと、するのかなあ? 「キョンくん!」 聞いてみよう! 「!?!?!?」 「お、ま・・・!!!!」 また二人はびっくりしてる。 そんな二人を見て、思わず、ふきだしちゃった。 キョンくんがこんなにびっくりすることなんて、めったにないんだもん! 「あはは!キョンくん、面白い顔!」 「う、うるさい!!お前、何してるんだ、そんなとこでっ」 「はさみ貸してほしいの」 「はさみ?あー、ええと、ここだ。ほれ」 「ありがとう!」 「あ、あの、妹さん・・・」 「なあに?」 「そのですね、今、もしかして・・・」 「古泉くん、どうしてキョンくんとちゅうしてたの?」 二人はまた顔をまっかにして、口をぱくぱくと動かしてる。 何を言ってるのか、わかんないよー! 「ええと、今のは、お兄さんにむりやりされまして」 「こら古泉!違うだろ、人聞きの悪いことを」 「キョンくん、古泉くんを苛めちゃだめだよ!」 「苛めとらんっ!!」 ふたりとも、仲良しにしないと、だめなんだから。 「いいから、早く宿題しなさい」 キョンくんが背中を押してくる。 もっと二人に遊んで欲しかったのに、ひどいなあ、キョンくん。 追い出されて、ドアもばたんと閉じられて、 「ノックしないで入ってきたら駄目だぞ!!」 分かってるのに、キョンくんはそんなことを言う。 もう、ノック、忘れないもん!!
まさかの妹一人称。書いてて照れたよ!
でもキョン古に妹が絡むのが大好きです。
むしろ妹×古泉とかすごくいいと思います。