いっつもハルにゃんたちには驚かされてばかりだからねっ。
たまにはあたしがびっくりさせてみようと思ったのさっ。
みくるに頼まれてた茶葉、持ってきたのにすっかり渡すのを
忘れていたから、ちょうどいいタイミング!


てなわけで、あたしは足音をできる限り抑えて、
ハルにゃんやみくるが常駐している部室に向かったんだ。

いきなりドアを開けたらびっくりするかなって、
小さなことだけどわくわくしたよ。
にやにや笑っちゃって笑い声が漏れちゃわないように気をつけて。




鶴屋さんの場合




部室からはたぶん、キョンくんと古泉くんの声が聞こえてきてる。
たぶん、っていうのは、なんだか小さな声で話してるみたいで、
聞き取りにくいんだよねー。
なーんか楽しそうにはしゃいでるのは分かるんだけどなっ。



みくるがお気に入りのキョンくん。
ちょーっと無愛想な第一印象だったけど、
付き合いも長くなると、ちゃんとわかるよ。
意外と気使ってたり、かといって使いすぎることもなく。
絶妙なバランスっていうのかな?
みくるが気に入るのもわっかるなー。
まっ、ハルにゃんって強力なライバルがいるけどねっ。
みくるも可愛いけど、ハルにゃんも相当だし、キョンくんってば、
めがっさモテモテなんだなっ。



そんじゃ、そんなキョンくんたちを驚かせちゃうよー!



「やっぽー!!みんな!今日もやらかしてるかーいっ!!」
「へっ!?」
「わぁっ!!」


自分でもびっくりする勢いの良さでドアを開けて、
登場の挨拶を元気よく飛ばす。
みくるが腰を抜かしてびっくりして・・・
あれ?


聞こえたのは男子二名の声だけにょろ?




「つ、つ、つ、鶴屋さん・・・なぜ、ここに」
「えっ?あたしはみくるに頼まれた…って、キョンくんたちは何をしてるんだいっ?」


よーく見てみると、ハルにゃんや長門ちゃん、みくるの姿はなくて、
いつもナイスな笑顔で爽やか満点!な古泉くんが、
いつもきっちり着こなしている制服を着崩しまくってる。
着崩す、どころか、ボタンが全部外れちゃってるよっ。


キョンくんはいつものカッコなんだけど、
二人とも顔が赤いぞ?




うーんと、
えーと、
もしかして。

参ったなー、あたしって、こうゆう勘がやけに働くんだよなあ。


そうゆうこと、だよねっ?
みくるたちは何かの用事で部室を出払っていて、
その隙に・・・わわわっ。


すっごいお邪魔しちゃったなあ・・・こりゃ。


「そっかそっかあ、ごめんね後輩達!邪魔しちゃったね、出直すよー!」
「あ、いや、えーと」


焦ってるキョンくんの顔は珍しいなっ。
古泉くんにいたっては顔が赤すぎてトマトみたいっ。
いつも男前なんだけど、今日はなんだかかわいいなあ。

ん〜、キョンくんの気持ち、分からないでもないかもねっ。



「鶴屋さん…すみません、このことは、何卒穏便に」
「分かってるって、言わない言わない!でもこれからは気をつけないとダメだぞ〜」
「はい・・・ほんと、すみません」
「失礼しました・・・」



二人してそんなにかしこまられると申し訳ないよ。
びっくりさせようと思ってたのに、
あ、一応びっくりはさせられたけど、
こっちの方が負けかな。



「んじゃっ、またみくる達がいるときに出直すねっ。ごゆっくり!」
「はあ・・・」
「もう、止めますから、朝比奈さん達が来るまで待っていていただいても」


キョンくんがため息をつき、
古泉くんはいそいで制服を元に戻しながら引き止めてくる。
いやいやっ。


「仲が良いのはいいことだよ。うんうん、青春、いいじゃないかっ」



来た時みたいに勢い良くドアを閉めて、
廊下をひたすらに走り抜けた。

角を曲がったところでやっと振り返ると、
二人が追ってくる姿はなくて安心、安心。




あー、びっくりした!
やっぱりハルにゃんたちと仲良くするのって、
すっごく楽しいよっ!




thank you !

なんの変哲もないベッタベタな話を書いてみました!(コーン)
鶴屋さんが好きだから鶴屋さんに挑戦してみたかっただけです・・・
きっと二人を目撃しても理解してくれる。
そんなのは鶴屋さんと長門くらいだと思います!(朗らかに)

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