HB













最近、古泉がかわいい。










「台詞の合わせをお願いしてもいいでしょうか?
 一人だと、どうも、緊張感に欠けて」





「コーヒーがいいですか?ココアがいいですか?
 僕は甘い方が好きです」





「衣装、クラスの方に作ってもらったんです。
 朝比奈さんの戦うウエイトレスに比べると地味ですが、
 似合いますか?」











夜中に呼び出され、
歩道橋で悩みともいえない程度の愚痴を聞いて、
ハルヒの暴走を食い止めてやった時から、
古泉はそれまで以上に俺に懐いた。
懐く、なんていい方はペットっぽいかもしれないが、
それ以外表現できないのだ。













「お前はもう少し、派手な格好でも似合いそうだな」
「どんなものでしょう?」
「そうだな……」










学祭の準備期間中も、衣装のまま俺のところへ来ては、
芝居の稽古に付き合えと言ってくる。


俺は俺で、ハルヒの映画を編集しなきゃならんのだが、
古泉に誘われるとついつい頷いてしまう。
それも、冒頭で言ったように、
古泉が、かわいいからなんだ。






狂ったんじゃないぞ。
俺は極めて正常だ。
古泉をかわいいと言い切る自分を正常と言っていいかどうかは、
判断に迷う部分ではあるが。













「バニーとか」
「ばっ……!」
「やってたろ? 月見のとき。ノリノリだったじゃねえか」
「あ、あれは、涼宮さんを止めるために……」






ハルヒの暴走を食い止めるために俺までバニーを着せられたが、
二度と着たくはない。ハルヒも願っていないだろう。
だが、古泉は悪くなかった。
自分でも楽しんでいただけに、
背はあるが細いから体型的には問題がなく、
顔だけは悪くないものだから、うさぎの耳なんぞが似合ってしまうわけさ。
全く、忌々しい話だ。





















あの時はノっていたくせに、
顔を赤くして照れて頭を触ってる。
別に、耳はついてないぞ、今は。










「あなたが、見たいなら、僕は、いいんですけど」
「……なに?」
「また、見てみたいですか」














まあ、見れるものなら。










適当に返事をしたら、
古泉の家に呼ばれた。











そして、
白い耳をつけた古泉は現在、
俺の下にいる。









Rabbits!



 

 











「ふ……」









ぺらっぺらの胸元をめくると、
白い肌を小刻みに震わせている古泉の口元から声が漏れてきた。

お前、夏でも日焼け対策は完璧だったもんな。
ハルヒがどこかでそれを望んでいるからこそそうしたんだろうが、
あの頃は、気にしないで男なら焼け、と思っていたもんだ。
けど、改めてお前の肌を見ていると、
うむ、白いのも、いいな。








「あ、あ、あの」
「なんだよ」
「いえっ……」





胸の下まで下ろして、
衣装に包まれていた部分を両手で触る。
古泉の両手は、ベッドのシーツを握り締め、
両足は俺が乗っているせいで動かせない。







平らな胸は触り心地も何もあったもんじゃないが、
寒いのか触られているせいか、
反応を見せるところを指で撫でるたび、
古泉がびくびくと反応を見せるのは楽しい。
声を出して、しまった、と口を塞いで、
けど、強めに抓ると我慢しきれず声を上げる。





お前、敏感だな。
俺が同じことをされても全くいつもと変わらずにいる自信があるぞ。








「あ、ふあっ、あっ」










ついでだから、
下半身にあたっている部分に足を擦りつけてやれば、
嬉しそうに、高い声を出す。
嬉しそう、というのは俺の主観だ。
笑ってるわけではなく、
むしろ眉をしかめて、目を閉じて、
唇は噛もうとしているのに、
俺はそれを、嬉しそうだと感じた。








「だ、だめです、そんな、いたずらは」
「そうか、ならやめる」
「えっ……」










両手と右足を止め、古泉を見下ろすだけにすると、
古泉はおろおろと視線を泳がせる。
まるで、今の言葉は本心じゃなかった、とでも言いたげに。







さて、これだけ変態的とも言えるかもしれない行為をしているが、
俺と古泉の間に怪しげな関係は存在していない。


強いて言うなれば、
先日歩道橋の上で、帰りがけの古泉をとっ捕まえて、
疲れてる顔に、
一発キスをかましてやったくらいで、他は何もなかった。







あの時の俺はどうかしていた。
古泉に、そうしてやらなきゃいけないと急に思い立ち、
走って追いかけてキスをして、
あー、何をやってんだ、と頭を抱えかけたが、









「あ……ありがとう、ございます」







唇を離した後に礼を言われたから、
さして落ち込まずに済んだ。







それからこうして古泉に懐かれるようになり、
今に至るわけだが。



止めろと言ったくせに、古泉は自分から腰を動かしてきた。












「こら。やめろって言っただろ」
「そ、れは」
「本当はもっとしてほしかったのか?」
「んう……」







普段、背が高いこいつが滅多にしてこない表情、
つまり、俺の下にいるからこそできる上目遣いなるものがあり、
俺は朝比奈さんにこれをやられると弱いんだが、
どうやら、人類全般的に言えることらしい。
古泉にされても、ぐっときてしまう。



正直に言えばいいものを、
聞いてないのにべらべら喋るお前はどこにいったんだ?
まあ、何をしてほしいかは分かるから、いいけどよ。









「ん、んっ、あっ」
「この衣装、汚していいのか?」
「あとで、洗いますっ……うう」
「そうしてくれ。何だか知らんが、濡れてるし」
「やっ…… い、わないで、ください」








俺も男だ、古泉がどんな状態にあるかくらい把握できる。
大したこともしてないのにここまでになるのすごいが、
こういうのが好きなんだろう、古泉は。






同じ趣味はないが、
古泉の顔と声だからこそ、許せる。
いや、許すというより、楽しい。
いちいち反応したり、俺に何か言われて赤くなって、
あー、
どうする、
また、キスしたくなってきた。










「は、あう、あ、き、もちい、です」
「だろうな、そう見える」
「あ、あまり、見ない、で」
「嫌だね」









お前の顔が視界に入らないなら、やる意味がない。
お前が見たくてやってるんだ。
お前をもっと、赤くしてやりたいからやってるんだ。








何を我慢しているのか、
唇を噛み始めたから、
やめろ、と言ってからキスをした。
唇、切れるだろ。
せっかくかわいいのに。
自分で傷つけるなんて、馬鹿か。










「んっ、んん、う……」






柔らかくて、気持ちがいい。
歩道橋でしたときも、そう思った。
今日は濡れてるな、唾液で。
それと熱い。







なおさら気持ちいいじゃないか。


















「あ、あっ、そこは」
「黙ってろ、このままじゃきついんだろ」
「ん、う……!」








バニーの衣装は着るのも脱がせるのも面倒だ。
あの網目のタイツは履かせなかったから、
足の付け根の部分から指を侵入させる。
もちろんパンツなんか履いちゃいないから、
簡単に触ることが出来た。
これが古泉の、ねえ……。



若干きつめの衣装だが、
生地を無理やりひっぱって、そこだけ露出させると、
なんとも、感慨深い格好になる。
中々見れるものじゃないぞ、この古泉は。














「なあ、写真撮ってもいいか」
「えっ!?」




男の裸に興味はないが、
古泉がバニーになって顔を真っ赤にして泣きそうで、
かわいいくせにしっかり男だと主張してくる部分との
ギャップというのか、まあ、それが結構いい。
保存しておきべきだろこれは。
誰にも見られないように暗証番号でロックかけとくから、
いいだろ?





古泉はしばしの間、もじもじと悩んでいたが、
俺がもう一度キスをしたら、こくりと頷いた。
正確には俺が頭を押して頷かせたのだが、
その後取り消さなかったから、いいらしい。









「あ、うっ……」







あいにくデジカメは持ってきていない。
古泉の部屋にもなかったから、携帯で撮る。
顔を向けさせたり、全身を写したり、
気づけば30枚ほど撮っていた。














これだけあれば十分か。
ハルヒが朝比奈さんを撮影しまくる気持ちが分かるぜ、
時間と古泉が許すならもっと撮っておきたいが、
どうやら古泉の方が限界らしい。
息を荒げて俺の腕を掴んでくる。
目で訴えかけてくる内容は、口に出さなくても、分かる。






携帯電話に保存できているのを再確認し鞄の中に入れてから、
古泉の横につけ、辛そうに歪める顔を撫でた。









「よく我慢したな」
「うう、もう、むりです」
「ああ。楽にしてろ」








どうやら古泉は撮られるだけでも気持ちがいいらしい。
触れてもいないのに、シャッター音が鳴るだけで震えていた。
おかげでいい写真が撮れた、
礼をしないとな。













「あう、あっ、あ、んうっ」
「古泉……前、いつやった?」
「わ、わかんな、あ、あっ」










一週間か二週間くらい禁欲生活でもしてたのか?
お前のアルバイトがどれだけ忙しいのか、
閉鎖空間が発生しなくてもあるのか知らんが、
溜め込むのは体に良くないぜ。
少し擦っただけで指がぐちゃぐちゃだ。







ちょっとした出来心で、更に下のほうまで指を伸ばしてみると、
古泉はシーツを掴んでいる手を俺に伸ばし、しがみついてきた。











なんだ、こっちもいいのか。






古泉が抱きついてくる、
イコール求めているのだと判断させてもらい、
濡れた指を、中に入れていく。
抱き締める腕が震え、
喉の奥から、高い声が漏れてくる。





痛そうじゃ、ない。
かといって慣れているわけでもなさそうだ。
一瞬、不安満載の考えが頭をよぎったが、
指で触れてる感覚と古泉の反応からいって、
杞憂に終わったと言っていいだろう。

















「古泉、気持ちいいか?」
「へ、んな、かんじが、して」
「それで?」
「こ、っちもいっしょに、触ってくださ、あ、いっ」









中指を第二関節まで入れたところで侵入を止め、
少しだけ、動かしてみる。
同時に古泉のリクエストを受けて前も触れば、
また、保存しておきたいような表情を見せる。
だが今は両手がふさがっているので、無理だ。










熱いな、お前の中は。



ここ、
……、
……何か突っ込んだら、もっと、気持ちよさそうだが……















「あ、あっ、だ、だめ……!」
「古泉、舌かむなよ」
「ん! ん、んーっ、んん……!!」











が、何を突っ込むでもなく指一本だけで、
古泉は簡単に、イっちまった。














古泉が体を揺らすたびに揺れていたうさぎの耳も、
全身脱力と共にぺたりとシーツに耳を垂らす。
しかしまあ、すごい格好でやったな、思い切り共犯だが……











「あ、うう、んうっ」
「なんだ、変な声出して」
「へ……! あ、なたが、指、抜いてくれないから」








言われてみればそのままだった。
だってな、人の体ん中に入ることなんて、そうそうないだろ?
しかもお前だぜ。
何がどうなってるか知りたくなるじゃないか。






というわけで、しばし指を動かせてもらっていると、
古泉はますます声を抑えきれずに体を動かすし、
そうなるとやりにくいから腹を押さえて続ければ、
指を痛いくらいに締めつけてくる。





何の対抗心なんだか、こっちも負けじと指を奥まで突っ込んで、
しかしなるべく乱暴にはしないように弄ると、
古泉は体をのけぞらせるようにして震え、
急に、手首を掴んできた。











「も、もう、や、めて」











掴む力は弱かったが、
古泉の目に涙が溜まっているのに気付き、
俺は、動かしていた指を止めざるを得なくなる。










な、泣くなよ。
んなに辛かったんなら、途中で言えって。
お前がまるで気持ちよさそうにするから、やったんだぞ。
お前を泣かせようとしていたわけじゃない。























「すまん、悪かった」
「ふ……」
「辛かったのか」
「…………」
「古泉?」
















古泉は、息を大きく吸って、吐いて、腕を、首に絡ませてきた。
それから耳元に唇を当て、溜息交じりで囁いてくる。        
























「あなた、と……えっち、したくなるから、だめです」                


















 



体を引き離そうとすると、首を振って嫌がった。
強く抱きついてきて、恐らく、赤くなっている顔を見られたくないんだろう。      











……。
…………。      












じゃあ、するか。                                







































「も、むりです……」
「どうしても?」
「ごめんなさい……」
「なら、明日にする」
「はい……ん……っ」        








汗で濡れて張り付いた髪を払う力すら残っていないらしい。
ぐったりとベッドに身を沈め、降参です、と呟いた。    








俺としてはまだまだやり足りないんだが、古泉は……
やられる方だし、気持ち良さそうにしていたが、辛くもあるらしい。
そっちのことは分からん。
すまんが、今後も分かろうとは思わない。
だからせめて、三回もやらせてもらったのだと感謝し、
これ以上を求めるのは止めておこう。      















名残惜しくて軽くキスを何度もしていると、
古泉がいじけたように口を尖らせて、俺を見てくる。





なんだよ、その顔。











「あなたのほうが、兎みたいですね」
「どういう意味だ?」
「万年発情期って意味です」











……こいつ。
元はといえばお前が誘ったのがきっかけだろうが。
意気揚々とバニーなぞを着て、触られたがったくせに。
それにこうなったのもお前がしたいって言ったんだぞ?
覚えてないとは言わせん。













「そ、そうですけど、こんな、何回もするなんて」
「一回で終わると思ったのかよ」
「おもい、ました」
「ならお前の計算違いだ。お前が悪い」
「うう……」














それに、俺は万年発情期なんかじゃないぞ。
お前があまりに、
……気持ちよかったから、
だから何度もしたくなっただけだ。














悪いのは、





……悪くないが、








お前がかわいいせいだろ?















目覚めさせちまったんだ、お前が責任取れよ。









thank you !


やおい・・やおいだ・・!
バニー古泉かわいいです!
でもキョンの方がむらむらしてるとおもいます!

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