「漫画喫茶・・・ですか?」
「おう」



新しく、できたらしいぜ。なんでも、全室個室とか、だ。
お前の家以外に行くのも、いいだろ?
お前んち、部室にゲーム持っていきすぎて遊ぶものが何もないし、
DVD借りて見るのもそろそろ飽きた。



「たまにはどこか出かけたり、したいですね」


お前がそう言うから、調べてやったんだ。
ありがたく思え。




シークレットルーム






「ここが噂の・・・なんだか、人の気配がしませんね」


顔を寄せて耳元でそう告げてくる古泉は、
初めて来たという漫画喫茶の雰囲気にいささか引き気味のようだ。
俺もこの店は初めてだが、最初に谷口・国木田ラインと
漫画喫茶なるものに行ったときには異様な雰囲気を感じたね。
ずらりと並ぶ同じようなドア。
そのときは満室だから待てといわれて待っていたのに、
店内からは客の話し声が聞こえずやたらと静かで、
ドアから人が出てきたのもほとんど見なかった。


街を歩いてりゃすぐに見つかるし、買うほどじゃなくても
読みたかったような漫画を読めるから、暇つぶしにはいいけどな。
それにしても、この店はやけに暗いな。雰囲気を出しすぎじゃないか?



「ペアシートで」
「フラットタイプとソファタイプがございますが」
「フラットで」



部屋番号の書かれた伝票をもらって部屋に向かう途中、
古泉は目を輝かせて俺を見ている。なんだ、おい。


「すごいですね、僕の知らない専門用語です」
「そんなにすごくはないぞ・・・」


ペアシートとフラットタイプ・・・
お前な、覚えても意味ないから、覚えるなよ。
そんな単語、俺以外の前で使うんじゃないぞ。



部屋は一番奥をあてがわれた。
わくわくしたような表情でドアを開けた古泉は、
眉を寄せて俺を振り返る。




「あの・・・かなり狭いのですが、本当に二人用なんでしょうか?」


古泉越しに見た部屋は、俺が知っているペアシートよりも
少し広いくらいの大きさだ。
しかしまあ、古泉が狭いと感じるのもわけないだろう。


「文句ばっかり言うな。とっとと入れ」
「はい・・・」


その長い足(忌々しいっ)を窮屈そうに折り曲げて、体育座りをする。
俺は持ってきた飲み物と、恐らく大して読みもしない漫画を置いて、
隣に腰掛けた。狭い個室だ。すぐに腕が触れる。
ぴく、っと腕を震わせて、古泉は既に顔が赤くなっていた。
分かりやすい反応だな、本当に。



「パ、パソコンもあるんですね・・・」


触れていた腕を伸ばして、こちらも、大して見たくもないホームページを
巡回し出した。こんなところでSOS団のページを見ないでくれ、
履歴でも残しちまったら恥ずかしくてたまらん。


パソコンの操作のために少しだけ前に移動した古泉の後ろに行って、
後ろから腕を回してやると、空気を読んで声こそあげなかったものの、
耳まで赤くして固まった。
古泉、さっきから右クリックと左クリック間違えすぎだぞ。



「静かにしてろ」



少し汗ばんでいる首筋に舌を這わす。
マウスを握っていた手を即座に離して、俺の手の上に重ねた。
軽く吸ってやると、指に力がこもる。あんまり力入れすぎるなよ、爪、立てるなよ。



そもそも最初から漫画を読む気などない。
古泉と二人で黙々と漫画を読むことに何の魅力も感じない。
それならこいつの家に行って好き勝手してるほうがいいだろう。
ここにきたのはもちろん、これが目的だ。
健全な高校生ともなると、色々なことに興味を持つのは当然である。



耳も音を立てないように舐めながら、右手を下にずらしていくと、
(古泉は抵抗しているようだが無視)
随分とベルト付近が苦しそうなことになっている。


上から撫でてやるとびくびくっと体を震わせて、
俺の手に重ねていた手を口に持っていった。
そうだ、ちゃんと、我慢してろよ。
お前、反応良すぎるから、ちょっと不安だけどな。
ドアの向こうからは通路を歩く足音や、たまに、女同士の話し声も聞こえる。
これ、読んだことある?ないない!面白いから、読んでみなよ・・・
すぐ横でこんなことをしているという背徳的な感じがたまらない。


ベルトを外して、途中まで脱がせて、下着の上から触れる。
あー、たまらない。はやく、やりたい。ここで、やれるのか?
さすがに狭いか?こいつも声、抑えられるのか?



「っ、く・・・」




目をつむって必死に我慢している。かわいい、すごくかわいい。
多少無理な体勢でも、やろう。決まりだ。
我慢しているせいで濡らして、下着の一部が濃くなっている。
しかたない、汚す前に脱がせた方がいいな。



「あうっ・・・」




やっぱり感度いいな、お前は。



古泉をこちらに向き直させて、狭いが、横にする。
柔らかいクッションを背中に敷いておけば、痛くはないだろ。
ちゃんと口押さえてろよ、と小声で伝えて、
前を上下に動かしてやりながら、口をつけた。
ちゃんと濡らしておかないと、痛いもんな。
今日は少しはスムーズにやってやらないと、かわいそうだ。



「ひ、あっ・・・!ん、う・・・!」



声、漏れるぞ。我慢してくれ。



少し先まで舌を入れて唾液で潤して、指を入れると、
きゅううと締め付けながらも、ちゃんと受け入れた。
たぶん、大丈夫だよな。




「古泉、もういいよな?」
「はあ、あ、あのっ、こんな、ところで・・・」
「俺の質問に答えろ」
「うう・・・はい・・・」



少しだけ先端を擦り付けると、涙を零して唇を噛んだ。
こいつは、声、我慢できそうにないな。
左腕を古泉の口に伸ばし、押さえてやる。



「ん、うっ」



少し苦しそうだが、仕方ない。
と、いうか、これは・・・かなり、いい眺めだ。
涙を溜めた目で俺を見上げて、震えている。
口を押えられて、抵抗もできず、少し、怖がりながら。
ああ、痛くしてやりたい、ひどいことをしたい、
こいつをもっと泣かせてもっと怖がらせたい、
でも、今は、ダメだ。こんなところじゃ、できない。
俺まで我慢する羽目になるとは、漫画喫茶、やるな。



ぐ、ぐ、と、ゆっくり押し入れていくと、
俺の手の中で声を上げた。振動が伝わるだけだ、大丈夫。
これは、やばい、気持ちがいい。
指に触れる生ぬるい涙も、興奮材料だ。



狭いからどうにも動きにくいが、
すぐ傍を通る他人に気付かれやしないかという心配が、
より一層掻き立ててくるのでプラマイゼロだ。
くわえてこいつのこの顔。
見下ろすのは一番いい。
怖がって泣いてる顔もいいが、気持ちがよくて泣いてる顔も、
好きで、好きで、たまらない。




興奮しすぎてあっという間に、射精感に襲われた。
今日は一緒がいい、こいつと。

動きを止めて、口を押えていた手を離す。
クッションの端を握っていた古泉の手をとって、自身を触らせた。
驚いて手を引っ込めたが、もう一度触らせる。


「一緒にいこうぜ、な?」
「あ、は、はい・・・」


意図が伝わったらしく、おずおずと触れて、自分で動かした。
俺もまた、古泉の口に手をやって、動き始める。

すごいな、お前、今、すごいこと、してるぞ。
自分で見れないのが勿体ないな、こんなの、こんなの、
俺が我慢できると思うか?無理だよな。



「あく・・・こい、ずみ、・・・いく」



こくこく何度も頷いて、古泉は自分の手を早めた。



「くっ・・・!!」




奥まで押し付けて、一気に、放出した。
ああ、体が震える。
一本で体を支えていた右腕が限界に近い。
思わず左手にも力が入って、古泉が苦しそうにもがいている。
古泉も俺が出したすぐ後に、いや、ちょっと前か?
ああもうよくわからん、タイミングなどどうでもいいが、
ちゃんと、一緒に、出していた。



店員が怒鳴りこんでくる気配は今のところないが、
このまま終わった後の余韻を楽しんでいる暇もないだろう。
この、匂いとか。息も荒いし。
隣の部屋の奴らに気付かれていないか非常に不安である。
さっさと退去するに越したことはない。



部屋にあったティッシュを使って顎のあたりまで飛んでいる
液体を拭き取ってやり、零れてくるものも、できるかぎり、
拭っておく。


「歩ける、か?」
「まあ・・・なんとか」
「よし、じゃあ、とっとと出ようぜ」
「・・・あなた、何しにここに来たんですか・・・」



それを俺に言わせるのか。
確かに漫画は読んでないけどな。ジュースは少し飲んだぞ。
何が目的かと言われたら、俺の最近の生活は、全部お前が目的だよ。



さて、
次の休日はどこへ行こうか?




thank you !

変態だ・・・キョンが変態だ・・・
でもあの台詞はこうとしか思えない。はい、その台詞のためだけに書きました。


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