「これ、飲め」




金曜の夜、夕食を終えて、彼から手渡された、9粒の白い錠剤。
何の薬ですか、なんて質問ができないのは分かっている。
怖い。だけど、飲まないと。


一粒が大きくて、飲み込むのに時間がかかる。
無言の圧力を受けて、喉を詰まらせないように必死に飲み込んだ。




「飲み、ました」
「効果が出るまでは時間がかかるらしいからな。シャワー浴びてこい」
「効果・・・」



なんとなく想像はつく。
もう、飲んでしまったから、どうしようもないけれど、
不安で手が震えた。





ドラッグ






蛇口を閉めてドアを開け、バスタオルに水滴を吸わせていると、
彼が来て、服を着なくていいからさっさと来い、と命じられた。

もう、そうするんですね。
今日は金曜だから彼は泊まると言っていた。
もう少し、話を、したかったのに。それでも時間はあるのに。




「こっちに来い」



ベッドの脇の、クッションの上。
最近、ベッドは使わない。フローリングの床に押し付けられて、
腰を高く上げて、後ろからされることばかりだ。
頬も肩も足もすべて、痛くて悲鳴をあげると、彼は喜ぶ。



隣に座ればすぐにタオルは剥がれて放り投げられ、
指が、体を這ってきた。



「あ、うっ」





これ、は。
いつもより、刺激が強い。
ただ首筋や肩を指で撫でられただけで、
ぞくぞくと体の奥から沸き上がってくるものを感じて、ぞっとした。
やっぱり、あの薬は。


「気持ちいいだろ?」



耳を噛みながら囁かれる声で体が熱くなる、すごく、熱い。
彼の声や、吐息や、指先がかかる場所全てが敏感に反応して体が震え、
恥ずかしくて目を閉じて耐える。
薬、なんか、飲まなくたって、僕はあなたに触れられればそれだけでいい、
どうしてこんなことをするんだろう。分かっている、はずなのに。




「あああっ、んっ、あっ」
「古泉、もう垂れてる」
「はず、かしい、ですっ・・・!」


先端を親指で強めに押されただけで強い衝撃が走った。



「あ、ああーっ・・・!!」
「今日は我慢しなくてもいいぞ、古泉」
「ふ、あ、ああっ、や、そんな、強くっ・・・!」
「痛くないだろ」





強く握られたまま少し上下に動かされただけで、
耐えることなんて全くできずに、
座ったまま彼の手の中に、出して、しまった。



「は、あ、あっ・・・ごめ、なさ・・・汚して、」
「別にいい」
「ああ、あううっ」



息をつく時間も与えられずそのまま濡れた指が突きいれられ、
痛みもある、だけどそれ以上に激しい快楽を感じる。体が、おかしい。



「ああっ、あ、っく・・・!」
「随分熱くなるんだな。気持ちいいか、古泉」
「き、気持ち、いい、ですっ」



すぐに二本に増やされた指が少し乱暴に中を動いている。
なのに、痛みを感じないどころか、気持ちが良すぎてまた達してしまいそうなくらいだ。
自然と腰が動いて、それを見た彼は少しだけ口の端を緩ませて、さらに奥に入ってくる。


足りない、指じゃ、足りない。早く彼に、してほしい。






「あ、も、もうっ・・・い、いいですから」
「何が?」
「っ・・・、い、入れて、ください」



言わされるときはいつも恥ずかしくてなかなか言えない、
なのに今はすぐに口から出てきてしまう。
我慢できない。
熱くて熱くて、おかしくなりそうで。




「まだダメだ」
「どう、してっ・・・あ、やっ」
「焦らすのが楽しいから」
「あ、あ、ああうっ!」




ずぶりと三本目の指まで飲み込んだのに、足りない。
苦しくなるはずなのに、もっと、もっと、してほしい、
奥まで、強く、もっと。



「あああっ、も、いやっ・・・入れて、くださいっっ」
「指だけでイけるだろ、イってみろ」




中でばらばらに動かされる指があらゆる神経を刺激してきて、
確かにもう、限界に近かった。
二回も達してしまったらこの後が辛い、
続けるのが辛くなるから、出したくないのに、もう、



「前触るなよ。こっちだけで平気だよな」
「んっ、ああああっ・・・!!や、やあっ・・・で、出ちゃい、ますっ・・・!」
「いいぞ、別に」





彼の背中を強く抱き締めて腰を前後に動かすと、
ありえないくらいの刺激が走って、
指が抜かれて、また、奥に入ってきたときに、全身をふるわせて、二度目を迎えた。




「は、あっ、あ、う・・・」
「緩めすぎるなよ」
「あああうっ!」


また、休む暇すらない。すぐに彼が入ってきて、体が硬直する。
力を入れたら、彼も痛くなってしまう、力、抜かないと。



「ひ、ぁっ・・・!あ、ああ、す、ごいっ・・・」



二回も、達したのに、ま、た?



「古泉、我慢するなよ。何回イけるか見せてみろ」
「うあっ、あ、やだっ・・・そ、んな・・・!」




両足を大きく広げられて、恥ずかしくてたまらない。
彼はぎりぎりまで抜いてから一気に奥まで突いてきて、ああ、
いつもなら痛くて苦しくて辛いだけなのに、
今日はどうしてこんなに気持ちがいいんだろう、
もっと強くしてほしい、何度だって繰り返して欲しい。



「あう、あああっ、きもち、いいですっ・・・!!」
「みたいだな」
「止め、ないで、もっと、・・・ああっ!」
「また触らなくてもイきそうだろ」
「あああ、ん、んううっ」




彼の汗が落ちる。
その感覚ですら頭が痺れて何も考えられなくなって、
言動の制御ができない。



「あっ、ま、た・・・い、いき、ま、すっ」
「早いぞ、古泉」
「んうぅっ・・・だ、め・・・我慢、できませんっ・・・」
「仕方ないな」




動きが早くなる。
あなたも、もう、すぐ。




「古泉、・・・中でいいよな?」
「は、はいっ・・・」
「ちゃんと言え」
「んっ、あっ・・・中、に、出して、ください・・・」



中に、なんて、イヤなのに、
今日は・・・今日だけは。



「、っく・・・!」
「あ、あ、あああーっ・・・!」




体の奥に暖かいものを感じて、すぐに、僕も体を震わせた。
この後の処理を考えるとイヤなのに、なぜかすごく愛しくて、
また気持ちが高ぶる。
もう、無理だ、これ以上は、無理に決まってる。




「は、あうっ、あ、ああっ」
「お前、まだイけそうだな・・・」
「やだ、も、やですっ・・・」
「いいからそのままでいろ」


彼の体が離れて、抜くときの感触でまた体が震え、
入ってきた指にさらに震える。そんな、もう、無理です。無理、なのに。




「あーっ・・・!やだっ、やだ、やだぁっ・・・!」
「の、割にはまた勃ってるぞ」
「どうし、てっ・・・」




気持ちはいい、
だけど怖い。
こんなに何度もなんてありえない。



彼の指にあわせて動いて自分で触った。
たまらない、なんで、こんなに。



「あうっ、あ、ふ、ああっ・・・や、あっ」
「四回は初めてだろ」
「も、だめ・・・い、くっ・・・!」




あられもない格好のまままた僕は、だめになる。
もうぐちゃぐちゃだ。体も頭も。



「さすがにひどいな。体、流してこい」
「ふ、ぁっ・・・は、い・・・」



やっと息ができる、体はうまく動かないし足もふらついて、
ずっと床に押し付けられていたから背中も痛い。
起き上がると床に垂れる液体は、あとで、拭こう。今は早く、洗い流してしまいたい。








「は、あぅっ・・・」


浴室までは来れた。
シャワーを浴びてすぐに、立っていられなくなった。


「なんで・・・」


触っていないのに。何もしてないのに。
もう、いやだ、こんなのはいやだ。



こんな姿は彼には見せられない。
うずくまって自分で指を入れて動かす、でも、全然足りない。
奥まで届かないし、うまくできなくて、焦るばかりだ。


「うっ・・・く、あっ・・・」


強く握っても、彼の手とは違う。それにいつもより力も入らない。
こんなのじゃ、イけない。



辛い、すごく、辛い。
どうしたらいいのか、分からない。










「何やってんだ、古泉」


ドアを開けて彼が姿を表した時、
僕は足を掴んで強く抱き締めた。



「何だよ」
「して、してくださいっ・・・」
「何を?」
「じ・・・自分じゃ、できないんですっ」



腕を引いて触れさせると、彼の指の温度が伝わってきて声が上擦った。



「もう、腕疲れたから無理だ」
「そんな、こと、言わないでっ・・・」
「指貸してやるから自分で動けよ」
「は、ああぁっ・・・!」



指が入ってくる。
自分でするのとは違う。
足を開いて跨って腰を落として、



「ううーっ・・・!」
「すごい効き目だな、お前がここまでおかしくなるとは思わなかった」
「ゆっ、指、もっと・・・!」
「二本じゃ足りないか?」



頷くともう一本、入ってくる。
濡れたままの体で必死にしがみついて、腰を動かした。
まだ全て出していなかった、彼の体液が体の中で混ざって、
動くたびにぐちゃぐちゃと淫猥な音を立てる。


他の何も考えられなくて、自分から口付けて、
舌を伸ばして彼を求めた。


「んっ・・・う、あっ・・・!!」


舌が触れると、また、苦しくなる。
おかしい、こんな、何度も、おかしいのに、いやなのに。



「やだ、やだ、や、だっ・・・!!」
「うるさいぞ、黙ってイけ」
「うっ・・・っは、あっ・・・・!!!!」



ま、た。



もう、何回目かも分からない。
体が熱い、力が、入らない。











「は、あ、あ・・・」
「落ち着いたか、やっと」
「すみ、ません・・・」
「流してやるから、座ってろ」



足元を捲って浴室に入り込み、シャワーの温度を調節する。
座り込んだまま動けない僕を、
少しぬるめのシャワーで洗い流してくれた。


たまにしてくれる、優しいことや、
たまに言ってくれる、優しい言葉で、
それだけで、僕は嬉しくなる。



「服・・・濡らしてしまって、すみません」
「どうせ後で洗うだろ、気にすんな」
「ありがとうございます」



優しい。
うれ、しい。








手を引かれて、パジャマを着て、時計を見ると、
もう2時を回っていた。いつもなら、とっくに眠っている。
こんな時間まで、付き合わせてしまった。

彼が持つドライヤーからあてられる温風で髪が揺れる。
いつも跳ねてしまう後頭部は、彼が乾かしてくれると、平気だ。




髪に触れる指。
彼が僕に触れている。
僕を、見ている。




「ふ、あっ・・・」
「・・・古泉?」



指を噛んで、元にもどれ、と祈った。
もういやだ、いやだ、いやだ。
彼だって、望んでない。
せっかく、きれいにしてもらったのに、髪も、もうすぐ乾くのに。



「う、う・・・・」
「お前・・・・・」
「なんでも、ないですから・・・あの、もう、寝ましょう」
「・・・おう」





無理やり目を閉じても、全く眠れる気がしない。
背を向けているのに隣にいる彼の気配を感じるだけで、
体が痛いほど反応する。
いやだ、もう、やめて。






少し、だけ、と、服の上から触れただけで、びくりと体が震える。
我慢しないと、
彼の隣でそんなことできない。



「・・・・・・っう・・・・」


少し動くとその衣擦れだけでも耐えられないくらいの刺激になって
頭に伝わってきて、息が漏れる、声が出てしまう、
じっとしてもいられない。


駄目、駄目、駄目だ。







「・・・古泉」
「もう、一回、だけ・・・して、くださいっ」



できない。
我慢できない。
頭の中も体もそのことしか考えられない。
彼の上に覆いかぶさるようにして、眠そうな瞼に口をつける。



「悪い・・・今日はもう眠いから」
「お願い、しますっ・・・」
「なんでもう泣いてんだよ」
「つ、らいんです」



自分じゃ、出せない。
あなたじゃなきゃ、ちゃんと感じられない。



「あと、一回で、いいですから」
「我慢しろ、寝る」
「そんな・・・僕、は、」



足の間に手を伸ばして触れてみる、勿論、彼はそんなつもりじゃない。
だけど、だけど、抱いて欲しい。
放っておかないで、
一人にしないで。



「触るな」
「してくださいっ」
「だから、無理だって」
「・・・お願いし、ます」
「無茶言うなよ」



面倒くさそうに、体を横にして、僕を拒絶する。
あなたが、したのに。
僕をこうしたのは、あなたなのに。



「やだ、やだ、やだ・・・寝ないで、ください・・・」



上を向いている耳に口付けて、とにかく体に触れた。
したい、したい、あなたと、したい。


やっと彼がこちらを向いてくれて、腕が伸びてくる。
なんでもいいんです、何をされてもいい、
だから、だから、



「うるさい、いい加減にしろ」
「っ!!」



腹部を殴られて、一瞬、息が出来なくなった。



「何も言うな、何もするな」
「そん、な」
「絶対だ。寝ろ」







こんなに苦しいなんて、知らなかった。
あの薬はきっと、本来よりも多い量を飲まされた、
こんなに効果が続くわけがない。
こうなると分かっていて、飲ませた、きっと。
満足するだけやったらその後は苦しめばいいと、思っていたんだ。


優しくなんかない。
ひどい、人だ。















「ん・・・」



目を覚ました彼が、起き上がる。
僕はずっと眠れなくて、ベッドには入っていない。



「・・・古泉、目、腫れてるぞ」


顎を指で上げて、瞼に触れた。


もう、落ち着いている。
だけど夜の間はずっと、駄目だった。
眠れるわけもなかった。
近くにいるのに何もしてもらえないなんて本当に辛くて、
自分でしても刺激が弱すぎて、耐えるしかできなくて。
フォークで手を刺して痛みで紛らわせようともした。



「やるか、朝だし」
「・・・・・・でき、ません」



どうしたらそんなことを言えるんだろう、
こんな僕に。


眠りたい。
眠ればきっと忘れられる。




「じゃあ、また飲め」
「な、・・・無理、です」




立ち上がった彼は台所に向かって、
コップいっぱいの水を持ってきた。
一気に血の気が引く、もういやだ、いやだ、絶対にいやだ。



「やめて、やめて、いやです、そんなの」



なんの力も入らない体はすぐに押し倒されて、
彼の指が唇に迫る。



いやです、いやです、
やめて、
お願いだから、やめて。
こんな辛いことをまたするなんて、ひどい。
あなたの気が向いたときにしか相手にしてくれないのに、
それ以外のときがどれだけ辛いか、あなたは知らないのに。



「口開けろ」
「ん、ううっ」


飲みたくない、飲みたくないです、本当に、いやだ。



「あ、っぐ・・・!!!」


ま、た、下腹部に、鈍痛が走る。
ひど、い。




「ん、うう、いや、んーーっ・・・!!」


4粒、一気に水と一緒に口の中に押し込められる。
吐きたい、吐き出したいのに、口をおさえられて、
出すことが出来ない。






息も苦しくて、飲み込んでしまうと、彼の手が離れて、
そのあとすぐに、喉に指を入れて、吐き出した。
溶けかかった錠剤が床に落ちる。
そして次の瞬間、床に強く叩きつけられて、
言葉にならない悲鳴をあげた。



「っう、く・・・・・・」
「何やってんだよ、吐くな」
「・・・・・・や、やめ、て」
「駄目だ。飲め」



また、入れられる。

痛みで感覚が麻痺して、飲み込んでしまうと、
さらにもう4錠、飲まされた。






絶望感で呆然とする。
眠れないまま、このまま、また、辛い一日を過ごすなんて。
泣きつかれたはずなのにまた涙が出た。




「その顔も、悪くないぞ、古泉」



そんな僕を見て彼は、嬉しそうに笑う。










こんなに辛くて苦しいだけなのに、
僕はどうしてこの人から離れられないんだろう。
ああ、




また、始まる。






thank you !

終盤一気に鬼畜ですみません。
終盤以前は100%エロシーンですみません。
→鬼畜当社比500%増しの続きがあります。
相当やばいプレイ内容なのでどうぞお気をつけて。。。普通に失禁とか。。。

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