家族計画(後)





落ち着け、落ち着いて冷静に考えるんだ。
必要なのは古泉の体を、や、やわ、
うううっ・・・


「あ、あのっ・・・?」
「お前は何も心配するな」




柔らかくすりゃいいんだろ!
どうやるんだ、濡らすのか、いや一体何で。
古泉が出した例の、は、ベッドに零れて染み込んでいる。
辺りを見回したが使えそうなものは何もない。
何が使えるのかも分からない。
八方塞がりじゃないか。
濡らす、濡らすもの、液体、液体・・・





「・・・・・・古泉。目閉じてろ」
「えっ、目、ですか?」
「で、なるべく力を抜け」
「はい・・・」



言うとおりに目を閉じた、古泉の足を軽く持ち上げる。
邪魔な服は全部脱がせたからほぼ裸だ、
靴下だけ脱がせるタイミングを失ってそのままなのが逆に興奮する。
変な光景だよな、俺はまだボタンの一つすら外してないのに。

さて、さて。
濡らすといったらもう、こうするしかない。
これは相当勇気が必要でありかなり抵抗があるのだがもうこれしかないんだ。



「え、えっ!?」


つまりは口で。
俺の唾液でなんとかする以外に方法は思いつかない。




「あ、やだっ・・・き、汚い、ですっっ」
「いいから黙っててくれ、何も考えるな」


俺も考えないから。




先ほど塗りつけた体液の味もするし、
その他にも独特の質感やらにおいやら味で、あらゆるもので古泉を感じる。
案ずるより生むが易しとはうまく言ったものだ、
やってみりゃ出来なくはないと思った。
不思議なことだが嫌いじゃない、俺が感じる古泉の全ては。
唇を舐めるよりも力を抑えて舌先を当てて、自分で言うのもなんだが優しく舐めてやる。
ベッドに垂れるくらいまで濡らしてから、ゆっくりと撫でて、もう一度指を進めていった。
さっきよりは力が抜けている。ぴくりと動きはするが、大丈夫そうだ。





「痛くない・・・か、古泉・・・」
「ふ、うっ・・・痛くない、です・・・でも、」
「でも?」
「変な、感じが、しますっ・・・」
「気持ち悪いのか」
「いえ、そんなことは、なくって・・・」


煮え切らん、が悪くはないと判断するぞ。
見れば古泉の体がまた反応しかけてる。
なんだ、こんなのも、気持ちいいのか?
それなら俄然やる気が出るぜ。
指をいったん抜いて舌を入れて、
古泉が恥ずかしいと涙声で喘いだのは聞こえたが痛いとか嫌なわけじゃないと思うから、
そのまま続けた。
なるべく入るところまで舐め続けて顎が疲れた頃にもう一度指を入れると、
ぬるりと一気に第二関節まで飲み込んだ。



「すまん・・・苦しいよな、これ」
「だっ、だい、じょぶ・・・あの、も、もっと・・・」



もっと?



「強引でも、平気、ですからっ・・・」



強引って、お前、んなこと、言うなよ。



「んあっ・・・!あああ、あっ」



古泉の言葉を受けてニ本に増やした指はぎゅうと締め付けられて少し痛い。
古泉の目からも涙が流れたが、それでも少しずつ奥へ入れた。


「はっ、あ、あうっ」
「こい、ずみ・・・」





こんなのに入るとは思えない、
かと言ってこの状態の古泉にもっと力を抜けとは言えない。
痛いだろうに半勃ち状態のそこに手を伸ばして触れてやると、
一瞬強い力が体にこもったがすぐに抜けた。
またいかせてやれば、力が抜けそうだ。
けど二回もやったら疲れるよなあ・・・古泉なら、平気、なのか?


「だ、だめ、そっちは、触ったら、」
「出していいぞ、辛くないよな」
「あ、んぅっ・・・!」




ここまですりゃもう何をしたって同じだ、
そう思って上下に動かしてやりながら先端を舌で舐めてみた。
垂れてくる液体は舐めとって、ああこれが古泉の味かなんて確かめながら、
こちらもまたかなり濡らしたりなんだりしていると、
古泉の両手で頭を掴まれた。



「何だよ」
「お、お、かしく、なっちゃいます・・・!」
「なりゃいいだろ」
「ダメです・・・も、もう、して、くださいっ」





え。
もうかよ。
入るのかこの状態で。
お前力入れすぎてぷるぷる震えてるじゃないか。
こんなとこに入れたら引きちぎれるんじゃないか俺。
勘弁してくれ、俺は生涯現役を貫きたい。



が、しかし、とりあえず、古泉の意志を尊重してやってみるだけやってみよう。
無理なら戻せばいい、男は度胸、度胸だ。



古泉のやたらと熱っぽい視線を感じながらベルトを外しにかかる。
あまり見つめないでもらいたいのだが俺もずっと見ていたからそうも言えない。
古泉にこんな姿を晒すことになるとは。
いつかはそういうこともあるかもしれない、
くらいの遠い国のおとぎ話のように考えていた。
古泉を抱く、なんて。


でも、
今は、
なくはない、
いや、
ありといえばあり、
いや。

抱きたい、かもしれない。





古泉の体に直接触れさせて、擦りつけるだけで、なんとも言いようのない興奮で体が震える。


「は、あうっ・・・ぬるぬる、します・・・」


実況するんじゃないっ。そりゃ俺だって我慢していたさ、仕方ないだろ。



「深呼吸だ、古泉」
「はっはい、吸います・・・」


吸って、吐いて、
を繰り返して落ち着いたと思われるころ、
息を吐いたのに合わせて力を込めた。



「あううっ・・・!!」
「き、っつ・・・!」





完全に無理とは言えんが、無謀には違いない。
これは、痛い。俺も古泉も。



それでも止めずに進めた。
古泉も、眉間に皺を寄せて苦しそうにしているものの、止めてくれとは言わない。
大丈夫なんだよな、古泉。
それなら俺も、努力する。


「うっ・・・あ、あ、ん、う・・・」
「こいずみ、こい、ずみっ」
「だい、じょうぶ、です・・・も、もっと・・・」



泣きながら、
辛いだろうに求めてくる古泉を見ていたら、
さすがに我慢の限界がきた。



「あ、やっ、あっ!」
「入れるぞ、古泉、気合い入れろ」



気合いはないだろと自分に突っ込む暇はない、
両足を高く持ち上げて心の中で謝って、
少しだけ繋がっていたところに体重をかけた。



「っ、く・・・!い、いってぇ・・・!」
「っ・・・・・・!!!!」



古泉が布団の端を噛んで力いっぱい我慢しているおかげで、
体にもかなり力が入っていて俺まで泣きそうだ。
それでも萎える気配がないのが不思議である。
痛い、が、何とも言えない気持ちが広がる。





「古泉っ、す、きだ・・・」
「は、あっ」
「好きだ、好き、古泉、好きだ」


そうだよなそうなんだよ、
俺は古泉が好きだ、好きになった、だからこうしてるんだ。
こいつが男でも構わない、
古泉を好きになったんだ、
それがたまたま男だっただけだ、だからもうこれでいい。



「こい、ずみ、分かるか、けっこう・・・はい、った」
「ふ、うっ・・・は、はい、はいっ・・・!」




辛いよな、
ごめん、もっと、上手にやれるように、勉強する。
今日は許してくれ。
俺、も、辛いけど、
それ以上に嬉しいかもしれない、
お前とこうすることが。



「ああっ、好きっ・・・好きです・・・!」
「古泉、俺も、俺も、好きだ」
「う、嬉しいです、僕、すごく・・・動いて、へいき、です・・・」



古泉、古泉、お前にこんなことして、
もう、取り返しがつかないな。
他の奴なんか相手にしたら絶対に駄目だ。
またやりたくなったら俺にだけ言えよ、俺だけ誘えよ、
俺が責任取るから、変な奴についていったりすんな。




行為そのものよりも精神的な部分で我慢が出来なくなり、
大して動いてもいないのにそろそろ限界だ。
さすがに中に出すってのは男が相手でもまずいような気がして、
唇に噛み付いてひとしきり舐めた後に、引き抜こうとして、




「い、てっ!古泉、ちょっと、力抜け・・・!」
「ぬ、抜いちゃ、いやですっ」
「はっ!?バカ、俺、もう我慢できねーから、」
「ぼ、ぼくじゃ・・き、もちよく、ないですか・・・」



何なんだそれは、
そりゃ痛いが、痛いだけじゃなくて、
このままいけと言われりゃいけなくはないが、
だってそれはまずいだろ。



「・・・僕、でっ・・・いって、ほしいです」





脳みそが沸騰して蒸発しそうだ。



こいつは本当に、どうしようもなく、
俺のことが好きで、
そんなこいつのことが、
俺もバカみたいに、好きらしい。



「あううっ、あ、あ!」
「いいに決まってんだろっ・・バカ」
「は、いっ・・・う、れしい、ですっ、あっ」





これはまずい、
俺は、



古泉のことが思っていたより好きだ、
こんなはずじゃなかったなんて、もう言えるわけがない。
男同士でやるなんてありえないだろとか、
古泉でいくとか考えられないだろとか、
どうせ1回やれば懲りるだろとか、
そんなことを考えてた俺を許してくれ。



俺のことばっかり考えて、力を抜こうと息を吐いている古泉を見ながら、
俺はそんなことを考えた。
こいつをもっと大事にしてやろうとか今度はもっと感じさせてやろうとか
今後の人生とか俺がおかしくしちまったんだから責任を取ろうとか
考えているうちにとっくに限界だったらしい体が、震えた。


「こっ・・・い、ずみっ・・・!!」
「あああ、あ、あっ・・・!」





意識が飛ぶ、
おいおい、セックスってのはこんなにすごいものなのか、
俺が初めてだからこんななのか?
さすがに気を失ったら格好悪すぎる、
古泉にそんな姿を見せたくない。
強く強く抱き締めて、古泉の呼吸を感じることで、
何とか意識を留めることができた。





首に回された古泉の腕はほとんど力がなくなっていて、
だらりとかかっただけになっている。
俺よりも呼吸は荒くて辛そうだ。

そのままの体勢で、汗で濡れた髪を梳いて、撫でてやる。
額や頬に口付けているうちに、やっと腕が少し、動いた。




「大丈夫か、古泉。大丈夫じゃ、ないよな」
「だいじょうぶ、です・・・少し、このまま、で」
「ああ、わかった」
「・・・嬉しかったです、僕・・・」






瞳いっぱいに涙を溜めて言ってくる古泉に、
胸が詰まったはずなのに体まで反応してきて、
焦る。



「うおっ・・・」
「は、うっ・・・」
「悪い、抜く、から」
「いいです、もいっかい、しますっ」






ここではっきりきっぱり断るのが正しい姿なんだろうが、
どうにもそれが出来そうにない。
お前の言葉に甘えてしまって、いいだろうか。




「辛く、ないのか」
「嬉しいです、好きだから」
「ああ、そう・・・」


素直すぎるだろ、お前。
本当に、かわいい奴だな。
さっきよりは痛くないと思うから、もう少し、付き合ってくれ。



俺、
ちゃんとこれから、
もっとお前と向き合って、
お前がしたいことをして、
めちゃめちゃ、大切にするから。
責任、取るから。




一生モノでいいよ、お前となら。






thank you !

エロしかなくてすいません。ツンも完全消失です。いつものデレキョンになった。。
エロ泉が楽しかったのでまた書くかもしれない(´∀`)

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