※変態的内容につきご注意!(久々の注記)









長い休みの間、たくさん彼に会える、
色んなところに遊びに行けると思っていたのに、
家に迎えに行っても返事がなくてそこには彼がいる気配がなかった。


焦って電話をしてみると、


『言ってなかったか?田舎に来てるんだよ、夏は毎年な。
 だから次に会うのはハルヒの集合がかかる頃だ。
 お前もたまにはどこか出かけろよ』



後ろで子どもの声がにぎやかに響いていて、
彼は心なしかいつもよりも楽しそうで、




『キョンくーん!早く、早くー!』
『はいはい、分かったから。じゃあな古泉』
「あ、はい・・・」



早々に電話を切られて、
手の中にあるデートプランをまとめたノートは
寂しそうに夏の風にページをめくられている。
ひどいです、僕に黙って、出かけちゃうなんて。
しばらく、会えないなんて。
今までは毎日会っていたのに、いきなり離れるなんて、
彼は平気なんでしょうか?僕、僕・・・



「寂しいです・・・!」




Love call





『帰ったらまた相手してやるから、拗ねるなって』



妹さんや親戚だという小さな子どもたちに囲まれて、
スイカを食べてる写真をメールで送ってくれたけど、
僕は自分がいないところで彼が楽しんでることとか、
彼が笑っていることが寂しくて、
僕だって傍にいたい、笑顔を見たいと思ってしまって、
返事を書けなかった。
心が狭いと思う、反省もする、
家族や親戚にまで嫉妬をしてしまうなんて、駄目だと分かっているんです。




「僕、あなたと出かけるのを、楽しみにしていたんです」
『悪い、悪い。帰ったらすぐ連絡する』
「どのくらい、そちらにいるんですか・・・?」
『んー、たぶん、2週間くらいだな』
「2週間!!そんなに会えないんですか!!」



気が遠くなります。
今倒れても彼は助けに来てくれない。
寂しい、寂しくて、死んでしまいます、



『兎じゃあるまいし、大げさなんだよ、お前は。
 このくらい我慢できなくてどうするんだ』
「ううう・・・だって、僕たちが一緒に過ごす初めての夏なのに・・・」
『なるべく早く帰るから待ってろ。じゃあな、もう寝るから』
「・・・おやすみなさい・・・」



毎日キスをしていたのに、昨日まで。
いきなりできなくなって、彼は、我慢できるんでしょうか。
僕は、あなたに抱き締められたくて、
キスをしてほしくて、たまりません。
こんな気持ちになるのは、僕だけ、なんですか・・・。






「荒れてるわね・・・古泉」
「荒れてるね」
「何かあったんですか?一樹くんに」


小さな声で話していたって、聞こえてます。
機関のメンバーでの恒例の会議、
最近は涼宮さんの精神状態も良好ですぐに終わります。
それは、とても、ありがたいことですが、
僕の精神状態は全然良好じゃありません。



「一樹くん、どうしたの、調子が悪そうだけど。相談に乗るよ」


いつも優しい笑顔の裕さんが先陣を切って話しかけてくれて、
その後ろには圭一さんと森さんの姿もある。
お気遣いいただくのは嬉しいのですが、
相談できる内容ではないのです。



「すみません、気にしないでください。問題ありませんから」
「そうは見えないけど。話せば楽になることもあるよ」
「・・・・・・。僕ばかりなんです」
「え?」
「会いたいって思うのも、声を聞きたいと思うのも、
 僕ばっかりで、思っては、もらえないんです」




もう、こんなことを言うはずじゃないのに、
不安で、ついつい、言ってしまいました。
疑問符が浮いている裕さんと圭一さんの横で、
森さんだけが不適に笑っています。
そう、森さんには前に、彼とのことを話していたんでした。



「古泉。それならしっかり伝えなさい」
「えっ」
「ちゃんと会いたいとか今すぐ抱かれたいとか言えばいいのよ」
「だ、だっ!?」



僕が真剣にアドバイスをメモをとろうとした矢先、
裕さんと圭一さんが慌てふためいて僕と森さんを交互に
見ていますが、何故でしょう??



「そうでなくともあの子は鈍そうなんだから。
 はっきり言わないと伝わらないわ。分かったわね?」
「はい、森さん。ありがとうございます」



さすがは森さんです。
分かりました、ちゃんと、言います!はっきり言います!
そうしたら飛んで帰ってきて、くれるでしょうか。
ご家族が帰られるまでなら、僕の家にいていただいても、構いません。
僕の家に、ずっと、二人で。
ドキドキ、します。



「森さん、一樹くんは男の子なんだから、その言い方はどうかと
 思うんですけど」
「いいのよ。相手も相手だし。もう、古泉はあなたたちが知っている
 古泉ではないの」
「えええ!?」



恐る恐る近づいてくる裕さんと圭一さんには会釈をして、
森さんには敬礼をして、善は急げ、です。
早く帰って、電話をしよう。彼が寝てしまう前に。





『ああ・・・古泉か。すまん、寝てた』
「こちらこそ、すみません。声が聞きたくて、遅くに電話を」
『いや、いい。ちょっと待て、外行くから』



きっと同じ部屋に妹さんや親戚が眠っているんでしょう、
静かに襖が開けられる音が聞こえてくる。
うらやましい。一緒に、眠れるなんて。
そんなことは僕だって、めったにないのに。


少ししてから、耳に聞こえてくるのは虫の声。
どこにいるんだろう、彼は。
僕が願ったら、すぐに帰ってきてくれるかな。



『もういいぜ。あー、すげー星』
「星、ですか」
『今日は天気よかったからな。お前にも見せてやりたいよ』
「・・・見たいです」
『今度は、一緒に来るか』



いっ・・・行きます、行きます。絶対に、行きます。



そんなに優しい声を、耳元で出さないでください。
僕はあなたの声が大好きだから、
少し囁かれるだけで、すごくドキドキするんです。



「・・・会いたいです」
『・・・おう』
「キスしたいです」
『・・・古泉』




電話口から聞こえてくる声は、いつもよりも近くて、
体の奥まで響いてきて、どうにかなりそうで、




「い・・・今すぐ、抱いて、ほしいです・・・」
『はっ!?』



呆れられるとか、バカだって言われるかもしれない、
でも、でも、言わないと、伝わらない。
僕、あなたがいないと、困るんです。


電話越しで黙ったまま、彼の小さな呼吸だけが聞こえる。



『・・・・・・すぐは、帰れないけどさ・・・』
「はい・・・分かってます」
『我慢できねーの?』
「・・・でき、ます・・・」



恥ずかしくなってきました。
僕ばっかり、こんな風に。
まだ2日しか経っていないのに、あと12日間会えないと思うだけで
泣きたくなるなんて、恥ずかしい、です。



『他の奴にやらせたりするなよ』
「しません!そんなの、するわけ、ないじゃないですか」
『そうだな。・・・なあ、やりたいのか?』



少しだけ、声が低くなる。
こんなことを向かい合って言われたら、とても頷けないけど、
顔が見えないから、恥ずかしいことだって言える。


「したいです・・・」
『ふーん・・・今、どうなってる?お前の体』
「え、えっ」
『自分で触ってみろよ』




じ、ぶん、で?
そんな、僕、僕・・・




「は、あっ・・・」
『古泉。ちゃんと言わないと俺にはわからないだろ』
「すっ・・・少し、た、って・・・」
『そうか。ベルト外して、下だけ脱げ』
「は、はい」



受話器を持ったまま、片方の手で、言われたとおりにする。
ベッドの上に座って、いつも、彼が後ろからしてくれるように。




『脱いだ?』
「は、い・・・」
『じゃ、目閉じて、俺のこと考えて、やってみろ』
「で、でも・・・」



あなたのことを考えるのはいつものことだし、
僕も男だから、したことがないわけじゃない、
けど、こんな、話しながら、なんて。




『出来るよな?古泉。声も聞かせろよ』
「出来ます、僕・・・あ、あ、」



一度そんな関係になってからは、ほとんど毎日のように彼に触られて、
だから指の長さも、手の甲に浮かぶ血管の数も、
温度も動き方も全部、知ってる。全部、覚えてる。
目を閉じて、あなたがいることを考えれば、
そうして触れて、動かせ、ば、
あなたにされているみたいに、体が熱くなる。




「あ、っう・・・!」
『古泉、どんな気分だ』
「ふあ、なん、か、変な、感じですっ・・・」
『気持ちよくないのか』
「い・・・い、です」




いつも、してくれるみたいに、
ぎゅうと右手に力を入れる。
全身に電流みたいなものが走って、体がびくびく震える。




「会いたい、ですっ、会い、た、あっ」
『ああ・・・分かったから。やってやるから、
 会うときまで慣らしておけよ』
「んっ、う、うう」
『携帯、枕元に置いて、横になれ』
「よ、こ・・・はあ、あ・・・き、聞こえ、ますか」
『ああ、聞こえてる』




おかしい、って、思います。こんなこと。
あなたに聞かれるのも、恥ずかしいのに、
それでも聞いていてほしい。





近くにあるローションを、手にとって。
中身を、手のひらに、出して。
右手で、動かしながら、
左手は、後ろに、
言われるとおりに、僕は指を動かす。



「ふああ、あ、あう、や、やあっ・・・!」
『指、入ったよな。イくときはちゃんと言えよ』
「は、は、いっ・・!!すき、すきです、好きっ・・・」
『俺も好きだよ、古泉』
「ん、ううっ・・・聞いて、て、くだ、さい・・・」
『分かってる』




だんだん手の動きが早くなる。
枕に顔を押し付けて、携帯電話からは離れないようにしながら、
彼にされるように、彼のことだけを考えて、
そうしているうちに、頭の中が、白くなってきて、



「も、もう、だ、めっ・・!い、いっちゃ、うーーっ・・・!」
『こいずみっ・・・』
「ああーーーーっ・・・!!」





体が、がくがくと震えて、
指の間に生暖かい液体が、絡んでくる。
大きく息を吐きながら最後までそれを出して、
ベッドに体を預けた。








また、シーツ、汚しちゃいました。
新しいの、買わなくちゃ・・・






『古泉ー。大丈夫か』
「あ、・・・はい、だい、じょうぶ・・・」




落ち着きます、さっきまであなたの声を聞いていると興奮したのに、
今はあなたの声で、安心する。どうしてでしょう?
いつも、そうです、でも今日は特に、そう思います。



会えなくても、電話でこうして出来るなら、僕は我慢します。
あなたに早く帰ってきてほしいなんてわがままも言いません。



『ちっ・・・』



そんな安心している僕とは対称的に、
なぜか電話口から聞こえてきたのは彼の、舌打ちの音。



「あの、どうか、されました・・・?」



僕、何か、変なことでも言ったんでしょうか、
心配になって、思わず体を起こして、正座になります。



『いや。お前の声聞いてたら俺も我慢できなくなってきた』
「え・・・」
『こんな家じゃ、一人でできねえし・・・あーくそ、むかつく』
「え!それは、ぼ、僕のせいですか!?」
『元はといえばな。お前、今すぐ来いよ。超能力で飛んで来い』



む、無茶です!
閉鎖空間でもないのに、そんな、
飛んでいけるなら最初から飛んでいってます!



『愛が足りないな』
「そういう問題じゃ、ありません!」
『しょうがないな・・・じゃあお前、今やってたこと、
 今度会ったときに俺の前でもやれよ。練習しとけ』
「えええ!?あ、あなたがいるのに、なんで、そんな」
『見たいから』




今のをあなたに見られるなんて思ったら、
恥ずかしくて死んでしまいます、



『どうせまた電話でやりたいと思ってんだろ?我慢できないだろうし』
「そ、それは・・・その、」
『じゃあやれるよな?俺の前でも。俺だけ我慢してんだ』
「あ、う・・・は、い・・・」
『よし。それならまた相手してやるよ』




結局彼に強引に言わされて、僕は、頷いてしまいました。





その後は何度も、何度も、
電話で話すだけで全身が反応するようになってしまって、
彼の声には特殊な能力があるのかもしれないと、本気で思います。





癖になってしまったら、どうするんですか。
僕、あなたのせいで、どんどんおかしくなってるような気が、します・・・。



thank you !

おかしいのは私の頭だ!(正解)
電話とか・・・苦手だったはずが・・・書いてしまった
苦手な人多そうです。すみません。最後まで読んでくださった皆さんありがとう!(大きな拍手)

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