※バッドエンドです・・・。











授業の終わりを知らせるチャイムが鳴り、
起立、
着席はせずに生徒たちは散り散りになる。
ハルヒは早速部室に走っていった。



「今日はみくるちゃんに新しい衣装を用意して撮影会だから、
 あんたたちは自主活動っ!」







たち、には俺と古泉が含まれているんだろう。
俺にとっては好都合だ。
走って9組まで行き、古泉の姿を探す。










「あれ・・・」




古泉の席なら目を閉じても歩いていける、
周りのクラスメイトが替わっていないから席替えもしていないはずだ、
なのに古泉は席にいない。
鞄も何も置かれてない。
適当に捕まえた奴に聞けば午後から授業には出ていなかったという。
ハルヒの機嫌はよかったから閉鎖空間は発生してないはずだ。




古泉?






「・・・」










かけた電話は呼び出し音だけで持ち主には繋がらない。





まだ拗ねてるのかあいつは、しょうがないな。
ため息をついて、
古泉の家に向かって自転車を走らせた。









修復不可







「古泉ー・・・」






ドアの前、チャイムを鳴らして、名前を呼ぶ。応答はない。
制服のポケットに常に入れていたはずの合鍵がなくなっていた。
朝は確かにあった。
古泉の家から通学して、
その時に俺がかけたんだから。
落としたとは考えにくいし、
恐らくは古泉が抜き取ったんだろう。
俺が部屋に入れないように。







もういいです、
って言ったのは、やっぱり許してなかったんだ。
いじけてるんだか知らんが対話は大事だぞ古泉。
拒絶してちゃ何も始まらないじゃないか。






「いるんだろ、古泉」





大体自分だってやるのが嫌いじゃないくせに。
あんな気持ちよさそうにイっちまうお前が、
俺がやりたがりすぎるなんて理由で怒るのはどうなんだよ。












しばらくドアの前で待っていた。
古泉のことだからいじけて家に真っ直ぐ帰って、
夜になって腹が減ってから冷蔵庫に何もないことを思い出して
コンビニに出かけるだろうと予想して。



昨夜も何も食べてなかったし、そろそろ出てくるだろう。




















「よ」
「・・・!」





予想通り十数分後、古泉が出てきた。
鍵が開く音でドアまで寄って、
小さくドアを開けて外の様子を窺おうとした古泉の手首を掴んでドアを開け、
中に入り込むことに成功した。







「拗ねてるんじゃねえよ」
「っ・・・・・・」






俺を家に入れたのが悔しかったのか唇を強く噛んで、
俯いたままこちらを見ようともしない。
そんな噛んだらせっかく柔らかくて気持ちいい唇が傷つく。
止めようと思って、
両手を壁に押し付け抑えてキスをした、





「いてっ!!!」





途端、
唇に強い痛みが走る。
指を当てると血が滲んでいて、一瞬呆気に取られた。


古泉が噛んだのか、俺を。












「古泉」
「何をしに来たんですか」



握る手が震えてる。
声も、震えてる。



「何、って・・・話に来たんだよ」
「話すことは何もありません」






俺は出ていかないと踏んだのか、
古泉はまたドアを開けて外に行こうとする。









ああ、面倒くさい。
こいつは何をそんなに怒ってるんだ。
男なんだから気持ちよけりゃそれでいいだろうが。
好きだって言葉もちゃんと与えてるだろ、
何が不満だというんだ。













頭に血が上って、
肩を掴んでそのまま玄関の床に引き倒す。
鈍く大きな音がして、古泉が顔を歪めた。




痛かったか、
まあ許せ、
すぐに痛みなんか忘れさせてやる。





「いっ・・・や、やめてくださいっ!」
「うるさい、抵抗すんな」
「いや、いやだ、もういやだっ」








つい今日も指を突っ込まれただけで涎垂らして喘いでイっただろ。

もういやだ、だって?
感じないようになってから言えよ。



お前には無理な話だがな。









「ふ、・・・・・・っ」




いつもより低めの声で淡々と言ってみせると、
抵抗していた腕の力が抜けて離れ、
代わりに目を覆って声を殺しながら泣き出した。



「泣くなよ。本当のことだろうが」















責めてる訳じゃない。
俺はお前のそういうところがすごく好きなんだ。
俺が何をしても気持ちよくてしょうがなくなってる姿とか、
めちゃくちゃいい。










試してみようか。
もういやだ、なんて台詞を言う資格があるかどうか。



























「やめ、やめて、くださ・・・」
「目開けて見てみろ、古泉。ぐっちゃぐちゃだぞ」
「う、ううっ」




ほら。これでどこがいやだって?





わざと頭の方だけ撫でて簡単にはイかせてやらない。
古泉はイかせてほしいなんて言えないから、
散々じらされて透明な液体を散らして耐えるしかない。
これだけでイきゃずいぶん気持ちいいらしいぜ。










「は、はあ、ああ」
「頼めば出してやるけど?」
「うっ・・・」



泣いたり喘いだり忙しい奴だな。
もうすぐ素直にもなるだろうし、ひたすら続けることにするか。



「あああ!い、いや!くるしっ・・・!」
「イかせてください、だろ?」











いつもなら言うじゃないか。
ぐずぐずになりながら言葉にならないくらいひどい声で、
頼むだろ。


言えよ古泉。








「うう、う、っく・・・!」



指はもう濡れていないところがないくらい、
どろどろに古泉の体液で汚されてる。
これはこのままやってればイくかな。
ま、いい。
こうするだけでイければまた一つお前の好きなところが増えるだけだ。












「や、や、だ、やだやだ、んむうっ・・・!」
「おい、力入れんなバカ」
「いきたく、ない・・・っ!」









な。
何を言ってるんだ、お前。



こんな状態でイきたくないわけないだろ。
今日はとことん素直にならない気か?










「ひあっ!!」
「じゃあ絶対我慢しろよ」






手を離して、
濡れた指を慣らす前に後ろに突っ込んで、
ぐりぐりと古泉が一番弱いところを刺激する。
がたがた震える体は限界を訴えているようだ。



イきたくないってお前が言ったんだぞ。
我慢しろ。










「あああああ!」
「すんなり入ったな・・・一人でやってたのか?」
「いやああっ・・・!!ふ、うあ、ううう」
「あーあ、イくなこれだと」
「あああううううっっ・・・!!」












我慢するほどイくときが大変だって分からんのか。




結局限界を越えて、
目の前でびゅるりと精液を飛ばして射精してみせた。
瞬間の顔だけは素直になる。快楽を隠しようがない。
声だけは我慢したようだが分かってる。



お前が無理やりやられても感じてイっちまうってことが。
お前にも分かっただろ。













「イきたくない、だっけ?」
「はっ、はあ、はあっ」
「自分がどうなったか分かってるよな」
「っ・・・・・・う、・・・」





見下ろしたときに古泉が見せる、
屈辱的な表情がとにかく愛しい。
何かを堪える古泉は俺の欲望を駆り立てる。
だからいつも言ってしまう、
多分古泉がいやがっている言葉を。

いくら好きだと言っても、古泉の中では相殺できないような言葉を。










怒る理由は、分かっていた。




古泉を見ていると、
・・・特に、俺なんか全く信用していないような、
求めてすらいないような目を見ると、
ずたずたに傷つけて服従させたくなる。



傷つけたい、
傷ついたときの顔が好きだ、
大好きだ。
俺のものになる、
俺の言いなりになる、
その瞬間が好きだ。











普段は一度出せばそんな目になる、
抱きついてきて、
泣きながら喘いで気持ちがいいと言う。
そうなってからが本番で、
何をしても抵抗しないし嫌だとも言わない。
古泉を手に入れた達成感で俺も気持ちがよくなる。



こいつは俺のその言動が許せないんだろう。












「ほら、入れてやるから足開け」




そろそろ今日も素直になっていい頃じゃないか?




待っていると、
古泉は床に手をついて起き上がる。
バックがよかったかと考えていると、
手のひらが俺をめがけて飛んできた。






「!」




力が入らないくせにそんなことをするから、
すぐに止められる。






「古泉」
「大嫌いです・・・あなたなんか、大嫌いです・・・!」
「おい・・・」
「帰ってください」




やろうと思えば無理やりやれる。
この状態の古泉を組み敷くのは簡単だ。


けど、
俺はお前を傷付けたいわけじゃない。
決してそうじゃない。
俺はお前が好きだし、
お前に好きだと思われていたいし、
今のように嫌いだと言われるのは・・・正直かなりキツい。










自分の興奮を抑えながら、
古泉の腕をとり抱き締める。





「んなこと言うな。お前だって気持ちよかったろ」
「離してください・・・」
「俺の手が汚れたのは誰のせいだと思ってるんだ」







白濁した体液を見せると、また涙を浮かべる。


ああ、違う。


こうじゃない。
泣かせたいわけでも、
悲しませたいわけでもない。
俺はいつもどうして、
こんなやり方しかできないんだ。











「・・・・・・」
「!」




伸ばした舌で、手のひらを舐めてくる。
大嫌いだ、
という乱暴な言葉とは真逆の丁寧さをもって。
指がやや弱いのと、
古泉の自分の出したものを舐めるという行為、
せっかく抑えた興奮が蘇る。




「んっ!」


舐め終わったと同時に唇を奪う。
噛みつかれないよう、覆うように。












キスをするときいつも古泉は肩を震わせる。
触れるだけでも緊張するらしい。



そういえば先週、
耳元で何度も愛を囁きながらキスしてやったら、
それだけでジーンズまで濡れるくらい感じてたな。
あの時はただ、
今日はやりたくてたまらない日なんだろう、としか思ってなかった。










「あ、ふっ」
「んん・・・こい・・・ず・・・」







古泉、
お前は・・・
もっと、優しくされるのが好きだったのか?










キスだけで、簡単に、また、








「嫌だ・・・もう、嫌・・・」




そんな自分を見て、崩れ落ちるように泣く。




「古泉・・・泣くな」







顔を覆ったまま、体を横たわらせ、
両足に手をつけて開いてやる。
垂れてきた分でじゅうぶんだろう、
自分のをこすりつけて、中に進めていく。





「あ、ああ、あ・・・!」
「熱いな・・・お前」
「いやあっ・・・」
「一気にいくぞ」
「あうう!!」







入れられるのを待っていた体はすんなり奥まで受け入れてくれる。
ぎゅうぎゅうと締め付けて、痛いほどだ。
極力声を出さないよう唇を噛んで力を入れているせいもある。
古泉を気持ちよくするためには力を抜いてやらないと、と、
体を密着させて口付ける。
こうするとかなり奥まで入るから、
古泉は苦しくてうめき声をあげる、
だから口が開く。





「う、っく・・・!」
「こいずみっ・・・な、好きだ、こいずみ、好きだ」
「!!」
「お前が好きだ、本当に」
「嘘・・・嘘です・・・」








ぶるぶる唇を震わせ、さらに泣いてしまう。
力は抜けたからいつもより強めに出し入れしながら、
何度も好きだと言った。
言うたび古泉からは体液が滲んできて、
言われるのが嬉しいのだということは分かる。
ただ、素直に受け止められないだけだ。






我慢しながらも古泉が二回達するまで出さずに言い続けたが、
古泉から同じ言葉を聞くことは出来なかった。





























「・・・・・・」
「水、飲む?」
「・・・・・・」





廊下に座ったままだった古泉をベッドまで連れてきて、
服も直してコップを渡したものの、受け取らない。








テーブルに置いて頭を撫でる。
もう泣いてはいないが、
目の周りはこすれて赤くなっていて痛々しい。





「古泉、大丈夫か」
「・・・・・・」









最中はもちろん、
終わったときに俺はとにかく古泉が愛しくなる。
今もそうだ。
抱き締めてあちこちにキスをして、
好きだ、どころか、愛してるなんてきざなセリフが浮かんでくる。










今日までは、
真っ赤になって喜んでいたはずだ。
なのに今はどうして、
俺を見ない?











「古泉」
「・・・・・・」
「こっち見ろ」



顎を掴んで、上を向かせる。
無表情の古泉と、目が合う。





「っ・・・、・・・こ・・・」
「分かりました」
「え?」
「あなたの気持ちは、分かりました」





好きだって、ことだよな?







「もう、抵抗はしません」
「古泉」
「全部諦めます」







どういう意味だ?

諦める?
































古泉は、
何の抵抗もしなくなった。



我慢出来ずに学校でやりたくなり、持ちかけると何も言わずに頷く。
今まで怖いからやりたくないと拒絶していたやり方も受け入れる。




嬉しかった。



最初のうちは。








けど、明るいところで顔を見ながらやったとき、
古泉がひどく辛そうに泣いていることに気付いた。







「古泉?痛いのか?」
「い、たく、ないっ・・・です」
「どうした。泣きすぎだろ」
「ごめんなさい・・・」







見られるのが恥ずかしかったのか、
体調が悪かったのか、
一度目はあまり気にしなかった。
後ろからやったときはそこまで泣かない。





顔を見ながらやると、
その後何度も、
ひどいときには声を上げて泣いた。
気持ちいいからだと思いたかったが、
ちゃんと様子を見ると、
とてもそうは見えなかった。








やってる間以外は何ら変わりなく、
笑顔を向けてくるし飯も作ってくれる。
気のせいだろうか。
俺の勘違いなら、いい。

















「古泉っ・・・好きだ、好きだ・・・」
「・・・ふ、うっ・・・」
「お前は、俺を、好きか・・・?」
「ん、うう」
「古泉・・・」










あれ以来、なるべく乱暴にするのはやめた。
酷いことだと思ってする行為のときも、
好きだと囁きながらやっているし、
古泉が感じやすいように焦らしながら優しく優しく、
抱いているつもりだ。








「好きって、言えよ・・・」
「はあっ、はあ、あう!」
「古泉」
「ひ・・・う、っ・・・」
「古泉っ」
「・・・・・・」












言われなくても古泉が俺を好きだとずっと感じていた。
言われないことに、何の不安も感じていなかった。
今になって急激に不安になる、
今まで一度も、言われなかったことに。
俺が聞いても、答えてくれないことに。









古泉が俺を好きだという自信がいつからか薄れていって、
今では、
ほとんど、ない。



















諦めるって、
そういうことなのか?






言っはくれないのか?


いや、そもそも、
もう・・・
好きだとすら、思っていないのかもしれない。









俺が手に入れたかったのは、
こういう形で、じゃなかったんだ。















だけど、
今更後悔しても遅い。



















その後も、
古泉から好きだと言われることは、






一度もなかった。











thank you !

まさかのバッドエンド。
古泉ごめんね。。。。

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