「今日のあなた、ちょっと、怖いんですが」
「何がだ」
「僕を見る目がぎらぎらしてます」
「正解」
「うう・・・」







確かに本日の俺はヤバい。








机の上には名前は忘れたが外国製のボードゲームがあり、
俺たちは二人きりでそれを囲んでいる。
ハルヒは先に二人を連れて帰っていった。
一緒に帰るつもりが、
一戦終えたら・・・と思っていたらその一戦がやたらと長く、
今までかかってしまった。





「お前さ、負けたら俺の言うこと聞け」
「瀬戸際に言いますか、それを」
「言います」
「却下します」





古泉のくせに却下とは。
どのみちやることやるなら、
お前が許可をしてからにしてやろうという気遣いなのに。







「・・・何をする気ですか」










俺は古泉が好きだ。



古泉から発せられている匂いや、甘ったるいフェロモンにやられたらしい。
男に欲情するとは思わなかった。
実物だけでなく写真からもそれは感じられ、
夏の合宿での写真を主に使って毎晩のオカズとさせていただいていたわけだが、
古泉が我が家に遊びに来たときに不慮の事故で見つかってしまった。
ぐしゃぐしゃに、白い液体で汚れた古泉の笑顔の写真が。




俺は正直にお前は俺のオナペットだということを伝えてやり、
気をつけるが襲いたくなるかもしれん、と付け足した。








古泉は始終笑顔をがちがちに強ばらせて何も言えずに頷いていた。
まあ、お前が俺やハルヒを無碍にできないのは知っているからな。
だから言ったんだ。
二人きりのときの反応も、楽しみだったし。









サムデイ?








で、
しばらくはきちんと本物相手には我慢しながらオナニーで事足りていたが、
今日の俺は一味違う。
いや、というより、今日の古泉が違うんだ。
いつも以上に全開なんだよ、フェロモンが。目に見えそうなくらいだ。





「もうすぐ俺の勝ちだ」
「長いゲームでしたね」
「言うこと聞けよ」
「困ります」





困ります、
なんて言う、
俺を怖がっているその顔も非常にいい。
俺を誘っているとしか思えん。
くそ、早く終われ、この一戦。









焦りからか戦いは間延びし、
古泉にあわや逆転されそうになってから俺は勝利を収めた。
途中まずいなと冷や汗をかいたものだったが、
勝利の女神は実は最初から俺の味方だったんだ。
その証拠に、



「うわ・・・」
「すげー雨」





突然降ってきた。
雷まで聞こえてくる。
通り雨だろうからすぐに止むさ、


けど止むまではここにいたほうがいいよな?






「ち、近寄らないでください」
「お前は約束を破る気か」
「約束なんて、してません!」






俺がしたんだよ。
お前はにこにこ笑って何をすればよろしいですかって聞けばいいんだ。





「あなたは僕をむりやり、だ、抱く、つもりじゃっ」
「ん?まあ、当たらずとも遠からずだな」
「嫌です!!僕には何もしないと仰ったじゃないですか!」
「だってお前がかわいいから」
「や、やだっ」





掴んだ腕を振り払おうと上下に動かしてくるが、あまり効き目はない。
嫌そうな顔もいいな。
本気で犯したくなる。





でも、お前の笑顔が好きだからそれは見ていたいんだ。
だからお前の体を傷付けることはない。





「じゃあ、なに・・・」
「体中を舐めさせてくれ」
「・・・・・・」





舌なら傷付けることはないだろう?
くすぐったいならそこは止めておくし、
気持ちがいいところがあれば重点的に舐めてやる。








口を開けたまま固まってしまう古泉を、これ幸いと抱き締めた。
そしてさっそく耳を舐めると、


「ぎゃああ!」



色気のない叫び声を上げて俺を突き飛ばす。
しかしめげる俺ではない。
即座にまた古泉に走りより、がっちりと肩を抱き締めて耳舐め再開だ。






「ひいっ、や、やめてください!」
「お前のここ、・・・ん、いい匂いがする」
「やだ、やだ、いやですっ!舐めないで・・・!」



だからお前の拒絶は拒絶に見えないんだよ。
んな声で、
怒ったせいで真っ赤になったその顔で、
言ってきたって・・・なあ。










「舐めるだけだから。それも嫌なら無理やりやるぞ」
「ひどい、です」
「やられるよりは大人しくしてたほうがいいだろ?」
「涼宮さん、助けてくださいーっ」






残念ながらお前が讃える神様は助けには来ないのさ。
朝比奈さんと長門と、ケーキを食べに行くと言ってたからな。
俺は代わりにお前をいただきます、と。





我ながら手際良くネクタイをほどき、
シャツのボタンも外して露わになった首筋にも吸いつくように唇をあてる。


やばいな、唾液が止まらん。
三ツ星シェフが作った牛フィレ肉のステーキ何とか添えを目の前にしたって
こうはならんぞ、たぶん。







「く、すぐ、ったいっ」
「んちゅ・・・古泉、お前、ちょい汗かいてんな」
「なっ!だ、誰か・・・この変な人を何とかしてくださいっ」






他力本願はよくないぜ。
そればっかりの俺が言うのもなんだが、
得てして助けを本気で求めているときほど他人は助けちゃくれないのさ。






「全部俺が舐めて綺麗にするから」
「バカなことを言わないでください!もう、いい、でしょうっ」
「よくない!次は脇で」
「いやですー!」





またも俺を引き剥がそうとしてきたため、
古泉には何度も謝って悪いと心底思いながら腕を縛らせていただいた。




「あ、あなたは、人じゃないっ」
「お前が怪我したら困るから縛っただけだ。痛いことはしないから」
「ひどい・・・こんな、こと・・・」
「ごめんな。こうでもしないと本気で襲いそうだから」
「今まさに襲われてるんですよっ!」
「すまんすまん」





噛みつかんばかりに怒りを表す古泉もこれまた、たいへんにかわいい。
頭を撫でてやって、額も舐めればぞわぞわと鳥肌をたててしまった。
こりゃ、泣かせるかもしれんな。
ごめんな。
お前が好きなんだ。
気持ちいいところを探すから許してくれ。
んじゃ、脇、いただきます。



「ん・・・」
「きっ、きたな、いです!」
「んなことねえよ・・・」



俺にこうされたせいで汗かいちまったのか?
いわゆる冷や汗ってやつかな。
言ったとおり全部舐めよう。
これが古泉の汗の味か。
他の味は知らないけど何となく特別に感じる。
やっぱりお前は毛薄いよな・・・色も薄いし。








「う、うっ」
「古泉」
「恥ずかしくて、死にたい・・・っ」
「そう言うなよ」





これで恥ずかしいなんて言ったらどうすんだここから。

両脇をしっかりと堪能させていただき、
俺は晴れやかな気持ちで次に取りかかることにした。







「ま・・・まさか」
「おう。下もだ、もちろん」
「お願いですからそれだけは勘弁してください。土下座してもいい」
「土下座されてもな・・・」








何も俺に得がない。
よって交渉は即決裂した。







真っ赤な顔で足をばたばたとさせるも、
俺はその上に乗り動きを封じる。
脱がせる前に服の上からそこを撫でる。
残念ながら何の反応も見られない。
俺のは古泉の足に当たっているから興奮具合が伝わっていることと思う。




舐めりゃ気持ちよくなるよな。






「ついにお前のを舐める日が・・・!」




感動で涙が出そうだ。







「それは、やですっ、いやですっ」
「観念しろ」




ベルトに手をかける。ジジ、とゆっくりチャックも下ろしていく。








「いや・・・・・・」




古泉の顔は真っ青に変化した。


そ、そんなに嫌かよ。
お前の体を傷つけたりしないぞ?
むしろ気持ちいいんだぞ?






「古泉」
「うう、うっ」
「じゃあ、舐められるのとキスすんの、どっちがいい?」







キスは、さすがに許可を得ずに奪ってはいけないと思うわけだ。
他の相手ならいざ知らず、
お前だから。
好きな奴にはちゃんと、俺としたいと思ってほしい。



「そんな・・・」
「お前が選んでいいぞ」






キスでもいいのさ、俺は。
ただし一時間は離さないけどな。







「・・・」




にやにや口の端が緩む俺を古泉は鋭く睨んできた。







「舐められる方がマシです!」
「おぉ・・・」





マシときたか。
まずいぞ。
俺、着実に嫌われてないか?
まあいい。
お前のために毎晩のように知識を習得した俺の技をくらえ。








「そうか。じゃあお前のチンコ舐めさせてもらうからな」
「く・・・・・・」
「へえ、ボクサーパンツか・・・」






脱がしたらくれないかなこれ。
かなりいいオカズになりそうなんだが。
なんて今の古泉に言ったら頭突きでも喰らいそうだ。
下は床なので俺のブレザーを脱ぎ、
敷いてから脱がせてやる。








こ、れが、古泉の、ち、ち・・・







「んうっ・・・!」
「あむっ・・・ん、んん、ん」
「やだ・・・やめ、て・・・!」





無我夢中とは今の俺のためにある言葉だろう。
見た瞬間我慢できなくなった。





すげえ、かわいい。
先端なんかきれいなピンク色でつるつるしてて、
あー、好きだ、大好きだ、
男のチンコなぞ舐めて興奮する俺は確実にどこかで道を誤ったが、
古泉なんだからしょうがない。
古泉のだからこんなになるに違いない。










「ふあっ、あっ」
「こい、ずみ」
「や、だ・・・・・・っ」














口の中で徐々に大きくなってきた。
嬉しい。
めちゃくちゃ嬉しい。
興奮しても傷つけないよう優しく舐めてるからな。
気持ちいいだろ。
俺もされたことないからどうされるのがいいのか知らなかったけど、
お前のを舐めたくて勉強したんだ。
いつかはお前が舐めてくれる日が来ると信じてるぜ。







入れられる限界まで口に含み、
あまり奥までくわえようとすると吐きそうになるのも分かった。
無理はせずにちょうどいいやり方で。
根元からぐいぐいしごきながら音を立てて吸いつき、
早く出てくればいいという気持ちゆえに先端部分は強めに吸ってみる。
たまに、自分の唾液とは明らかに異なる味がする。




これが、古泉の味。
早くもっとほしい。
全部余さずに飲み干してやるから、
早く出せ。










「あっ、あ、や、やっ」
「古泉・・・いきそ?」
「やだ・・・い、きたく、ないっ」
「今更強情になるなよ」






いつもは流されるままに生きてるくせに、
そうじゃないときもあるわけか。
けど、今は流されることを勧めるぜ。
誰にも言わないし、
ただお前は気持ちよくなるだけなんだから、
悪くないだろ。










「あう、うっ、だ、め!だめです、や、やあっ・・・!!」
「んー・・・、!!」







古泉も男だ。
いくら頭で否定しても気持ちいいことに変わりはない。





左手をあてていた太ももがびくうっと大きく震え、
と同時に口に暖かい液体が広がる。
右手で掴んでいたがびっくりして離してしまい、





「おわっ」





途中、口から古泉のが出て、以降は顔にぶっかけられた。













「は、はあっ、はあ、あう・・・」
「すげー量」




結構飲んだぞ俺。
なのに顔も精液まみれになっちまった。
顎や頬に垂れてくるのを指ですくっては舐めて堪能させていただく。





「う、う、ううっ」
「泣くなよ。気持ちよかったろ?」






顔にかかった分まで舐め終えてから頭を撫でてやり、
泣き止む様子はほとほとなさそうだが、
次に進むことにした。


もう抵抗を諦めたのか、されるがままである。
ま、そのほうがいいな。
体をうつぶせにして、腰から下だけを持ち上げる。
俺が舐めて零した唾液で濡れている。






「やだあっ・・・・・・」
「古泉、ごめんな。ちゃんと良くするから」






子どもみたいにぐずぐずと泣く古泉が気の毒に思えてきたのも確かだが、
こんな機会はめったにないだろ?










足を開かせてそこに口付ける。
舐めさせたことは勿論誰にも見せたことすらないだろう。
ここに入れる日は来るのだろうか、
そんな夢想をしながら、
溶けてしまうほどに舐め続けた。







「うあ、あ、あっ、んっ」
「んむ・・・・・・ちゅぅ・・・」
「はうっ・・・!ああ、あっ・・・!」







舐め続けていると。



古泉の反応に変化が現れた。
弱々しく嫌がる声から、甘さを帯びた声に。
舐めるのに夢中で気付かなかったが見てみると古泉のはまた硬くなっていて、
舌を伸ばせば舐められる位置にある袋もきゅうと締まっている。





古泉、もしかして、気持ちいいか?
いや、もしかしなくても気持ちいいんだな?








俺が下手に声をかけるとまた嫌がられるかもしれん。
せっかく気持ちよくなってるんだから、このままイかせてやろう。




「あああっ・・・だ、めえっ・・・」









ここ舐められるだけで気持ちよくなるなんてやっぱりお前は素質があるよ。
俺が好きになった相手だもんな。
こんなに柔らかくなりゃチンコ入れても気持ちよくなれそうだが、
我慢だぞ、俺。
今日は舐めるだけだと決めたんだ。




「あっ!!」






足をさらに開かせて、少しだけ中に舌をねじ込む。
床に液体がぽたりと落ちた。
我慢汁が垂れるほどとはよっぽどじゃないか。
そうか、そんなに気持ちいいか。
よかった。








「や、やら、だ、め、出ちゃ・・・うぅっ・・・!!」








とろけるようにふやけたそこに可能な限り舌を突っ込んだ瞬間、
古泉は切なげな声をあげて再度、達した。











今すぐ抜きたいほど超勃起している自身は無視して、
ぐったりと体を床に預ける古泉を抱きかかえてよしよしと撫でてやる。
観念したらしい古泉は息を荒げながら俺にもたれる。
シャツの腰の辺りを掴んでくれてることに喜びを感じ、
自分のはあとで古泉を思い出しながら抜けばいいという思いを強くして
そのまま優しく抱きしめ返した。







「大丈夫か?」
「うう・・・」
「体は俺が拭くから、落ち着くまではこのままでいようぜ」
「・・・はい・・・」





頭や額にキスを降らせ、
雨はいつ止んだのか分からなかったが、
しんと静まり返った部室で二人分の鼓動だけが聞こえていた。

























「ふ、ううっ、んう」
「古泉、もうちょい腰上げて」
「は、はいっ・・・、あああっ・・・!」






そしてそれから、俺はきちんと古泉の許可を得て舐めさせてもらっている。
古泉が言うにはあまりに強い刺激を与えられたせいで、
一人でやるときに物足りなくて辛くなってしまったそうだ。
願ってもないことで俺は喜んで古泉の精子放出に力を貸している。





指を入れるまでは許してもらえて、
内部の構造も大体把握した。
撫でられると頭がおかしくなるくらい気持ちいいらしいところも見つけた。
相変わらずやだやらやめてくださいやら言ってくるが
これはそのまま受け止めなくていいということも知った。
やだとか言ってることに興奮してるだけなんだよな、
お前は、そういう奴だからさ。












「なあ、古泉」
「ふああ、あ、あうっ」
「そろそろ俺のチンコ欲しくなってこねえ?」
「うっ、うあ、なら、ないですっ」
「指よりずっと気持ちいいぞ」
「で、も・・・っ」
「お前の気持ちいいとこ、ぐりぐりしてやるぞー?」
「だ、って・・・」
「ん?」







何か言いたそうだ。
指三本を引き抜いて顔を近づける。
なんだって?









「はあ、はあ・・・」
「言ってみ」
「・・・お・・・おしり、に」
「うん」
「おちんちん入れられたら、」
「うん・・・」





古泉の口からそんな単語を聞けるとは。
俺、それだけでイけそうだ。







「男の子じゃ、なくなっちゃいます・・・」
「!!こ・・・古泉・・・」







大丈夫だ、
お前にはちゃんとついてるし、
俺とセックスしたって男のままだぞ!




その考え方は分からんでもないし、
逆にぐっときてしまったが・・・。





「それよりも俺とやりたくねえの?」
「ふ・・・」
「な?一緒に気持ちよくなろうぜ」






言いながらベルトを外しかける俺を、古泉が制した。







「ここじゃ、いやです・・・」
「へ?」
「初めてだから・・・」






おお、すまない、古泉。
そうだよな。
初体験が部室なんて嫌だよな、
床も硬いしきれいってわけでもないし。







「じゃ、お前んち行く?」
「今は、あのっ、指で・・・」
「ああ、そうだったな。悪い」




このままじゃ辛いか。



俺は我慢するのに慣れ始めているが。





耳をとろけるくらいまで舐めて、指をぐちゃぐちゃと出し入れすると、
あっという間に達してくたりと抱きついてくる。










古泉、なるべく早く呼吸を落ち着かせて、帰ろうぜ。
そわそわして仕方ない。
初めて舐めたあの日からもう半年が経とうとしている。
かなり、我慢してきたと思わないか。
お前のために尽くしてきたと思わないか。
報われる日がついに来たんだ。







「古泉、調子はどうだ?」
「はい・・・も、平気です」
「よし。じゃあ一緒に帰ろうぜ」
「え?」




ん?
え?って何だ?







「今日は、ダメです。僕もう疲れちゃいましたから」
「な、何!」
「また今度にしましょう」





にっこり、かわいすぎる笑顔を向けられたせいで、
俺は頷かざるを得ない。
そ、そう、だな。
今日、二回もイったしな。
じゃあ明日にしよう、明日、お前んちに、





「ダメです」
「え」
「明日は機関のミーティングが夜から入ってますから、部室でしてください」
「お・・・おう」


















かくして俺は古泉にうまいようにあしらわれ、
ただ尽くすのみで一年を過ごそうとしている。
谷口には詳しくは話さずにポイントだけをかいつまんで話すと涙を流しながら笑ってきて、


「お前はあれだな!オナニーマスターだ!」




なんてちっともうれしくない称号を与えてきたから殴ってやった。
一人でやるのも飽きてきたよ。
そう言っても毎晩やってるけどさ。
毎晩古泉で、イってるけどさ。








けど、これも悪くない。
古泉が俺だけに見せる顔や聞かせる声があるなら、
時が来るまで待とうじゃないか。
いつか結ばれるときが来るさ。






いつか。













来る、よな・・・?






thank you !

キョン童貞維持フラグ(°∀°)
変態キョンを書きたかったんだけど、
意外と普通になったと思います(?)翼さん誕生日おめでとう!

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