結論から言うと、強行突破は失敗した。




俺も健全な男子高校生として、それなりに知識はあるつもりである。
谷口渾身の作品「ベストオブエロス・フロム谷口」なるCD-ROMでも勉強した。
(この名前だと谷口自身のCD-ROMみたいだな、気色悪い)
しかしだな、健全ゆえ、同性同士でのやり方など、
そんな方法は決して、知らなかったのさ。



火傷−4 side k




というわけで俺はびびった。
古泉もびびった。
勢い、雰囲気、ノリ、流れ、あらゆるものに身を任せ、
古泉が泣きながら一度達するところまではいったのだが、
問題はそこからだ。どこをどうしろというんだ、俺に!と、
思わず頭を抱えたね。


とりあえず古泉の体液やら、俺の唾液で指を濡らして
恐る恐る後ろを触ってみたんだが、少しでも指を入れようもんなら
古泉がとんでもない悲鳴を上げて逃げていった。


いや、俺も小さい頃座薬をさした経験があるから分かる。
あれはたまらん。なんつーか、恥ずかしいし、
ないだろ。入れるとか。そりゃないよな。うん。


とりあえず俺は家に帰って必死に調べた。
親に見られることのないよう寝静まった頃にパソコンを立ち上げ、
シャミの鳴き声一つにすら鳥肌を立ててのことだ。
めくるめく知らない世界に何度も呻きながら、
必死に知識を頭に叩き込んだ。
テスト前日すらここまでしたことはないな。
今までの人生で一番頑張ってる瞬間がこの瞬間だ、とすら思えたほどだ。
どうなんだ、それ。
間違っていないか、俺の人生。



とりあえず履歴、念のため3回削除しておこう。
人生の履歴もこのくらい簡単に、削除できると助かるんだけどな。






そんなこんなで俺は今、隣の県の薬局に来ている。
理由は簡単だ、古泉とやるためにはどうも必要なものがあるらしい。
それを買うには薬局に行く必要があり、
とてもじゃないが近所で買って約1名に見られるわけには・・いやいやいや。
ハルヒだけじゃないだろ。朝比奈さんや長門に見られるのも困る。
谷口なんかに見つかっても下品な笑いを浮かべられるだろうし、
国木田あたりもネチネチと後日精神攻撃をしかけてくるに違いない。


そんなわけで、片道40分もかけてここまで来た。
目の前にはあまりなじみのないコーナーが広がっている。
これを・・使えば、古泉も、痛くなくなるんだよな・・・?
どろりとしたゼリーのような液体。
透明だったり色がついていたりと、割と、選べる。
パッケージはどれも意外と、普通だ。逆に恥ずかしい。
レジは男だよな、よし、よし。


迷ったときは一番高いものにしておけと、
昔誰かが言っていたのを思い出して、奮発しておく。
こういうのは最初が肝心だからな。
いや、最初は失敗したんだけどな。
いやいや、あれは、数に数えないでおこうじゃないか。


隣にはいつか谷口が見せてくれたゴム製の物質・・というか、
ゴムそのものが置いてある。水がどのくらいはいるかという
物理的な実験をしたのだが、これがまたすごい量が入るので驚いた。
「おいおいおい、俺はこんなに出ないぞ」
「オレだって出ねーって!」
国木田だけやけに不敵な笑みを浮かべていたのは何だったんだろうな。


これもいるのか?古泉は男だぞ、妊娠はしないよな。
でも、中に・・・出すってのは・・・どうなんだろう。
妊娠しないならいいのだろうか。
待てよ。液体を注入というのは・・・まずいだろ。
うん、まずいな。買っておいたほうがいいな。
12個入りって、古泉と12回もやるのかよ。
多いな。
3個入りとかお試しパックとかそうゆうのはないのか?
ないぞ。


けど、1日に1回やったとしたら2週間もたないことになる。
そう考えてみると、あっという間になくなる気もする。
うん、そうだな、念のため2箱買っておくか。
よし、これでいいだろ!



気を使われて茶色い紙封筒に丁寧に入れられたそれらを、
鞄に突っ込んで足早に立ち去った。
これも、大人への第一歩だ。
喜べ、古泉。







「はあ・・・」
1時間後に古泉の家を訪ねたときには、既に日も暮れていた。
買ってきたものを見せてやった古泉は、沈んでいく夕日のように
顔を沈ませてため息をついている。なんでだ、そこで何故ため息なんだ。


「あなたは、なんというか、やる気満々ですね・・・」
「そりゃそうだろ、昨日の失敗は今日の成功だ」
「微妙に別のことわざが混ざってますよ」
「そうだな」
「・・・僕はあまり、気が進まないんです」
「なんでだ」
「分かりませんか?僕の立場になって考えてみてください」
「俺のことが好きなんだから、やりたいだろ」
「はあああ・・・」



がっくり、とうなだれた首に、後ろ髪がかかる。
甘いにおいがここまで届きそうだ。
かわいいな。
どんな仕草だって、かわいい。
やっぱり、やりたい。
昨日の失敗したあとは萎えまくりだったが、
それまでの古泉はとてつもなく、よかった。


リアルなのでひたすら古泉の顔だけを見ていたのだが、
名前を呼んでやるだけで手の中が反応して古泉の顔が赤く染まる。
だんだんと目に涙が溜まり出して、
強めに擦ってやると小さく首を振っていやいやと震えた声で泣いた。
イっちまった瞬間の顔といったら、なかった。
そんな表情を俺だけが見たんだ。独り占めだぜ。
神様に感謝・・・というとこの場合はハルヒに感謝になるのか?
まあもうなんでもいい、ハルヒ、ありがとう!!
といった具合だった。
というのを思い出してきて、どうも下半身あたりがむずむずとしてくる。


「ほら、やるぞ、古泉!」


今日こそ大丈夫だ、心配せずに、俺に任せろ!


「うううう、本気ですか・・・」


だからその顔が、その気にさせてんだろーが、バカ。


thank you !

しょうもない!ほんと、しょうもないよ!ごめんなさい!
でも書いてて一番楽しかったんですけどね・・・困ったものです。
あ、更に続きます。初めての両思い状態でのエロですが・・・うん。
ラストを読んであげる

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